社説の最新記事

最新記事一覧

【社説】日韓首脳会談 中朝抑止へ絆深める出発点に

日韓の首脳がこれほど打ち解けたムードで会談できたのは何年ぶりだろうか。岸田文雄首相は就任後初めて来日した韓国の尹錫悦大統領と会談し、地域の安全保障を脅かす北朝鮮や中国を念頭に連携を深め、ぎくしゃくしてきた両国関係を正常化させることで一致した。喫緊の課題と未来の展望に向け、互いにあるべき関係を復元させようという思いが伝わってくる。

【社説】米露軍機衝突 露軍機の「防空」行為は筋違い

ロシア軍の侵攻によるウクライナでの戦争が長期化する中、ウクライナ南部クリミア半島沖の黒海上空を飛行していた米空軍の無人機に露空軍の戦闘機が接近、衝突し、米無人機が墜落した。不測の事態が米露間の軍事的緊張を高めることが懸念されるとともに、国際法違反のクリミア半島併合を正当化するような筋違いの「防空」行為は指弾されなければならない。

【社説】ガーシー氏除名 無責任な国会欠席への懲罰

参院は本会議で、国会欠席を続けて「議場での陳謝」の懲罰も拒否した政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員を「除名」とする懲罰を正式決定した。ガーシー氏は昨年7月の参院選で初当選を果たした。選挙で示された民意は重いが、ガーシー氏に国会議員の重責を担う資格はなく、除名処分は仕方があるまい。

【社説】マスク緩和 主体的判断で脱マスク進めよ

新型コロナウイルス対策で推奨されてきたマスク着用のルールが緩和され、原則として室内外を問わず個人の判断に委(ゆだ)ねられることになった。それぞれの判断を尊重しながら、着実に脱マスクを進めていきたい。

【社説】IPEF会合 中露の「経済的威圧」に対抗を

日米など14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の首席交渉官会合が、インドネシア・バリ島で始まった。

【社説】中国全人代 警戒要する警察国家への道

国会に相当する中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)は習近平氏の国家主席と国家中央軍事委員会主席の3選を満場一致で決めた。首相には共産党序列2位の李強氏が選出された。李氏は前の上海市トップで、習氏の側近だ。

【社説】東日本大震災12年 未来を担う若い力に期待

災害関連死を含む2万人近い犠牲者、2500人を超す行方不明者を出した東日本大震災から、きょうで12年を迎えた。犠牲者の冥福を祈りつつ、復興への思いを新たにしたい。

【社説】N党議員懲罰 政治不信逆手に有権者欺いた

NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員は、昨年夏の参院選挙で初当選して以降、一度も登院していないことから参院懲罰委員会に付され、最も重い「除名」の懲罰が科される可能性が高まっている。注目を集めたユーチューバーが立候補して当選するのは時代の流れかもしれないが、議員が民意の負託にまったく応えない事態を招いたことは遺憾である。

【社説】H3打ち上げ失敗 何より原因の徹底究明を急げ

不安の第1段ロケット打ち上げをクリアし安堵(あんど)もまさかの暗転――。関係者のみならず、打ち上げを見守ったファン全ての共通した思いであろう。

【社説】徴用工問題解決策 日韓関係悪化抜け出す好機だ

日韓関係最大の懸案だった元朝鮮半島出身労働者(元徴用工)を巡る韓国大法院(最高裁に相当)判決に伴う賠償問題で、韓国政府が解決策を発表した。被告の日本企業に代わり韓国政府傘下の財団が肩代わりするのが骨子で、日本政府もこれを歓迎している。

【社説】諫早訴訟決着 混乱招いた国の責任は重い

国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の無力化を国が求めた訴訟で、最高裁第3小法廷が漁業者側の上告を退ける決定をした。確定判決の効力は失われたとした二審福岡高裁判決が確定した。

【社説】クアッド外相会合 中露両国への牽制強めよ

日本、米国、オーストラリア、インド4カ国の連携枠組み「クアッド」は、インドで外相会合を開催し、海洋進出を強める中国を念頭に一方的な現状変更の試みに強く反対するとともに、国際法に従ったウクライナの恒久的な平和が必要だという認識で一致した。他国の主権侵害を容認できないのは当然である。

【社説】国枝さん栄誉賞 日本国民に勇気を与えた

車いすテニスの第一人者として活躍し、四大大会とパラリンピックの全てを制する「生涯ゴールデンスラム」を達成した国枝慎吾さんに国民栄誉賞が授与されることが決まった。パラスポーツ選手の受賞は初となる。

【社説】中学校襲撃 危機管理の在り方検証を

埼玉県戸田市の市立中学校に少年が侵入し、男性教員を刃物で切り付けた。県警に殺人未遂容疑で逮捕された少年は「誰でもいいから人を殺したいと思った」と供述しているという。学校正門の門扉は当時閉まっていたが、鍵が掛かっていなかったため少年の侵入を許した。全国の学校で危機管理の在り方を検証すべきだ。

【社説】韓国大統領演説 日韓改善を阻む韓国内の壁

韓国の尹錫悦大統領は、日本の統治期に朝鮮半島で起きた独立運動を記念する行事で演説し、日本について「過去の軍国主義侵略者から、われわれと普遍的価値を共有するパートナーになった」と述べた。火種になっている歴史認識問題を巡る対日批判を封印し、安全保障などを中心にした協力を重視した未来志向を訴えたものだ。まずは評価したい。

【社説】出生80万人割れ 首相は積極的に結婚奨励を

厚生労働省が公表した2022年の人口動態統計の速報値によると、年間出生数は79万9728人だった。前年と比べ4万3169人(5・1%)減少し、1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込み、過去最少となった。

【社説】欧州安保戦略 ロシアへの圧力を強めよ

ウクライナ危機を受け、欧州では安全保障戦略を見直す動きが出ている。ドイツ政府は今月にも初の国家安全保障戦略をまとめる。国家安全保障会議も立ち上げる方向で調整が進んでいる。英国も今春をめどに、外交・安全保障の基本方針「統合レビュー」を改定する。欧州主要国は抑止力を高め、日米などと共にロシアへの圧力を強めるべきだ。

【社説】自民党大会 保守岩盤層の離反を防げ

自民党が定期党大会を開いた。4月の統一地方選と衆院補欠選挙への事実上の総決起集会である。岸田文雄首相(党総裁)は「一丸となり、まなじりを決して必ず勝ち抜こう」と述べ、党の団結を訴えた。

【社説】国連安保理 分断招く中露は許されぬ

国連安全保障理事会が、ロシアによるウクライナ侵略開始1年に合わせて閣僚級会合を開催した。日米欧をはじめ多くが改めてロシアを非難したが、中国など一部は批判を控え、理事国間の温度差が露呈した。

【社説】G7テレビ会議 民主陣営は対露包囲網強化を

先進7カ国(G7)首脳が、ロシアのウクライナ侵略1年を受けてテレビ会議を行った。G7をはじめとする民主主義陣営は対露包囲網を強化すべきだ。

【社説】日本学術会議 法改正で共産党の影響排除を

政府は日本学術会議法改正案を今国会に提出する。会員候補の選考を巡って、第三者でつくる「選考諮問委員会(仮称)」を新設し、候補を事前に諮問させることが柱だ。人選を透明化し、幅広い分野の会員で学術会議を構成させる狙いがある。

【社説】ウクライナ侵攻1年 ロシア勝たせぬ支援の継続を

ロシアがウクライナに軍事侵攻して1年がたった。北、東、南の3方から本格的に進撃を開始した明らかな侵略にもかかわらず、プーチン露大統領は教書演説で「戦争を始めたのは西側諸国」と述べた。黒を白と言いくるめる正当化は断じて許されない。このような国際秩序破壊は、全世界の安全を脅かすことになる。ロシアが撤退するまでウクライナを支援すべきだ。

【社説】H3ロケット 中止原因究明し再打ち上げを

新型ロケット「H3」試験機1号機の初めての打ち上げが中止された。固体補助ロケット(SRB)に着火せず、打ち上がらなかった。

【社説】立憲民主党 改憲に前向きな姿勢を示せ

立憲民主党が党大会を開催した。泉健太代表は4月の統一地方選や衆院補欠選挙の勝利に全力を挙げる考えを強調。党勢回復に向けて結束を呼び掛けるとともに、政権交代を目指す考えを示した。

【社説】離島防衛訓練 国内実施増やし侵攻に備えよ

陸上自衛隊は米海兵隊と離島防衛を想定した共同訓練「アイアン・フィスト」を行っている。この訓練はこれまで米国内で実施されており、国内では今回が初めて。今後は国内での実施を増やし、中国による離島侵攻に備える必要がある。

【社説】北ミサイル 米本土攻撃の脅しを許すな

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる1発を平壌付近から発射した。ミサイルは通常よりも高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で飛翔した後、北海道・渡島(おしま)大島の西方約200㌔の日本海に落下。落下定点は、日本の排他的経済水域(EEZ)内と推定される。国連安全保障理事会の決議に違反し、断じて許されぬ暴挙である。

【社説】MRJ開発失敗 検証しチャレンジ恐れるな

YS11以来の国産旅客機として注目されたスペースジェット(旧称MRJ)開発中止が決定した。日本の航空機産業の未来をかけたプロジェクトだったが、同産業で優位を保つ欧米の壁は厚かったと言うべきだ。失敗の検証を的確に行い再チャレンジを恐れてはならない。

【社説】GDPプラス 持続的成長へ大幅賃上げを

2022年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・2%増、年率では0・6%増と2四半期ぶりのプラス成長になった。ただ、物価高や海外経済の減速などが重しとなり、成長は力強さを欠いている。今後の持続的成長には、物価高を上回る賃上げを通じた内需の拡大が欠かせない。

【社説】領空侵犯気球 法解釈変更し撃墜能力備えよ

わが国の領空で過去何度か確認されていた気球型の飛行物体について、防衛省が中国の無人偵察用気球と強く推定されると発表し、政府は領空侵犯した他国の気球や無人機の撃墜を可能にするため自衛隊の武器使用基準を緩和する。無人飛行物体を活用した現代の戦争の現実からも必要な措置であり、高高度を飛行する無人機の迎撃能力を備えるべきである。

【社説】臓器斡旋逮捕 海外での不透明な移植規制を

臓器移植を無許可で斡旋(あっせん)したとして、NPO法人の理事が臓器移植法違反の疑いで警視庁に逮捕された。移植の斡旋業者摘発は初めてだ。海外での不透明な移植を規制するため、法改正などの対策が急がれる。
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