【社説】露ミサイル攻撃 非道で卑劣なプーチン政権

 23日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で、ミサイル攻撃を受け破壊された集合住宅で作業に当たる消防隊員(EPA時事)

ロシア軍がウクライナ全土を再びミサイルなどで攻撃し、少なくとも10人が死亡した。電力インフラも大きな打撃を受け、首都キーウ(キエフ)や西部リビウなど各地で大規模な停電が発生した。

これから冬に向かう中、停電で暖房が使えなくなれば多くの人の生命や健康に関わる事態となりかねない。ロシアのプーチン政権による非道で卑劣な攻撃は断じて容認できない。

市民生活に打撃与える

ロシア軍は70発のミサイルと5機の自爆型ドローンを発射。このうち51発のミサイルとドローン全機が迎撃されたが、病院や発電所、住宅などが攻撃を受けた。南部ザポロジエ州では病院の産科病棟を直撃し、生後間もない男児の命が奪われたという。このような悲劇がいつまで繰り返されるのか。無差別攻撃でウクライナ国民を虐殺し続けるプーチン大統領に強い憤りを禁じ得ない。

今回は、ウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋で起きた爆発の「報復」である10月10日のミサイル攻撃以降で5度目の大規模攻撃となる。この攻撃によって、欧州最大規模のザポロジエ原発が再び外部電源を喪失。復旧したものの、一時は原子炉の冷却を非常用ディーゼル発電機に頼る事態となった。

民間人や民間施設への攻撃は国際法違反であり、ロシアがこうした蛮行を正当化することはできないはずだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連安全保障理事会の緊急会合でのオンライン演説で「気温が氷点下となる中、ロシアのミサイルで何千万人もの人々が電気や暖房、水を失うことになれば、それは明らかに人道に対する犯罪だ」と非難した。

ロシアのウクライナ侵略が始まってから9カ月が過ぎた。ロシアは東・南部4州の占領地を一方的に「併合」したが、その後ウクライナ軍の反撃で南部ヘルソン州の州都ヘルソン市から撤退するなど劣勢が伝えられている。

ミサイル攻撃には、市民生活に打撃を与えることでウクライナ側の戦意を喪失させる狙いがあるとみていい。卑劣極まりない作戦であり、西側諸国はウクライナに対する防空システムなどの支援強化を急ぐべきだ。

侵略の継続には、ロシアの同盟国からも懸念の声が上がっている。アルメニアで開催されたロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会議では、ロシア以外の加盟5カ国の首脳がプーチン氏と距離を置く姿勢を相次いで示し、旧ソ連構成国の「盟主」として存在感を示そうとしたプーチン氏の思惑が外れる形となった。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は「流血を終わらせ、和平交渉を始めることが必要だ」と強調した。ベラルーシはロシアの侵略に協力しているが、紛争に巻き込まれることは避けたいのが本音のようだ。

西側諸国は圧力強めよ

欧州議会は、市民に対する残虐行為やインフラへの攻撃を理由に、ロシアを「テロ支援国家」と認定する決議を採択した。西側諸国はロシアへの圧力を強めるべきだ。

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