【社説】4回目接種 医療・介護従事者も対象に

新型コロナウイルスワクチンの4回目接種が始まった。対象者は3回目から5カ月以上が経過した60歳以上や基礎疾患のある18歳以上に限定されている。だが、接種を希望する医療や介護従事者にも対象を広げるべきである。

重症化するリスクも

接種の目的は重症化を予防することにある。イスラエルの研究によると、4回目を受けた60歳以上の重症予防効果は6週間減少しなかったが、一方で感染予防効果は短期間で低下した。このようなデータなどを基に厚生労働省は、重症化しやすい人に対象を限定した。

しかし、医療や介護従事者が感染リスクの高い職場にいることに変わりはない。比較的若い人も従事しており、重症化のリスクは相対的に低いとはいえ、ゼロではない。また、感染した場合は仕事を休まなければならない。重症化した場合は、当然休業の期間が長くなる。

医療や介護の現場では人出不足が続いている。変異株「オミクロン株」の感染拡大で、医療や介護、公共交通機関などで働くエッセンシャルワーカーが濃厚接触者となった際の自宅待機が問題になった。その轍を踏まないようにしたい。

ワクチンが不足しているわけでもない。ワクチンを積極的に利用しようという考えがあるのであれば、医療や介護さらにエッセンシャルワーカーで4回目を希望する人には、年齢や基礎疾患の有無にかかわらず接種すべきである。

対象となる基礎疾患は、糖尿病、慢性の心臓病や肝臓病、肥満など。がん治療で免疫機能が低下している人も含まれる。これら以外にも、免疫機能が低下する病気、染色体異常、重症心身障害、睡眠時無呼吸症候群など、それほど一般的ではない疾患も含まれる。これらの疾患を抱える人たちに、接種に関する情報が確実に伝達されるようにしてほしい。

自治体はこれら基礎疾患を持つ住民の情報を正確に把握しているわけではない。どのように接種券を送るかは、自治体に任される。情報の把握には時間と労力がかかるため、横浜市や大阪市など人口の多い自治体では、18歳以上の住民すべてに送付し、自己申告を行った人にだけ接種する方向だ。この場合、対象外の人に接種しないようにしなければならない。政府や自治体は4回目接種が正確に周知されるよう、情報の発信にもっと力を入れるべきだ。

感染状況は、大型連休で人流が増加したものの、減少傾向にあり、第6波も収束に向かいつつあるとみる専門家もいる。ただ、新規感染者はまだ全国で3万人前後の状況にある。収束の鍵を握るワクチン接種も3回目を終えた人は全人口の58・3%で、まだ6割にも達していない。65歳以上の高齢者は88・9%となっているが、若い世代での接種が遅れている。

3回目の呼び掛けも

4回目接種が開始されたことで、3回目接種の重要性が忘れ去られる恐れもある。

政府・自治体は、引き続き3回目接種を呼び掛け、7割の壁を突破するように働き掛けをすべきだ。

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