書評の最新記事

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体験からの同時代史的言葉『言葉の風~人にも動物にも愛の風を~』【書評】

最近、日刊紙の「読者発言欄」などに80代後半くらいの方たちの「発言」が目立っている。管見だが、男性の場合、80歳という年齢は大きい人生の峠のようである。

小泉八雲「見えない日本」を見た人 畑中 章宏著【書評】

 ラフカディオ・ハーンの来日は明治23年で、29年に帰化して小泉八雲と名乗り、『怪談』などを著して37年に54歳で没した。

「中国」という捏造 ビル・ヘイトン著、小谷 まさ代訳 【書評】

 「中国はどのような国になろうとしているのか?」こうした問いから本書は始まる。この国の成長を商取引や投資のチャンスと捉える風潮がある一方、不安を抱かないものは少ない。

「地球の歩き方 ハプスブルク帝国」【書評】

 とうとうこのテーマの本が出版された、これが私の第一声であった。日本の大学では欧州各国史が主流なので、このテーマの講座はない。ご苦労様でしたと言いたい。

「中国に媚びるな」石 平・金 文学共著【書評】

 二人の著者が中国の国民性を主題にして日韓中の文化の違いを論じた対談集。対談はテーマを決めて8回行われ、月刊『WiLL』(2024年11月~25年5月号)に掲載された。

『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』 佐藤 優著 【書評】

 背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され有罪確定になり、さらに「余命」宣告を受けるなど、波乱万丈な人生を生き抜いている評論家・佐藤優氏による定年後の人生の手ほどき本だ。 

外国人だから気付く特徴 「日本語教師、外国人に日本語を学ぶ」北村 浩子著 【書評】

 日本を訪れる外国人が増え続けている。観光地を巡ったり、美味(おい)しいものを食べたりするだけでなく、日本の文化、伝統を学び、その背景にある日本語に興味を持ち、学び続ける外国人もいる。

「コメ壊滅」 山口 亮子著 適正な価格形成は可能か 【書評】

 農水省出身の鈴木憲和農相は就任後の記者会見で、「価格はマーケットの中で決まるべきもの」と断言し、同時に現状で購入できない国民には、お米クーポンなどの対応が考えられるとした。

「過去と思索(7)」ゲルツェン著 西欧の大変動の終焉を見る 【書評】

近代ロシアの知識人は国家の改革を推進するために西洋の知識と技術を学んだ。

【書評】非日常に身を置き感性磨く 『インテグリティが浸透する コンプライアンス・カルチャーの創り方』中山達樹著

 2024年末に中居正広氏の女性アナウンサーに対する性的不祥事が発覚し、フジテレビの経営陣の辞任や企業体質への批判に発展した。これに代表されるように、最近、企業・組織で不祥事が後を絶たない。

【書評】「食料安全保障と農政改革」 荒川隆著 消費者交え合理的価格形成を

 気候変動をはじめコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を機に食料安全保障の重要性が認識されたのを背景に令和6年、食料・農業・農村基本法が改正された。

【書評】「田沼意次の時代」大石 慎三郎著 悪評覆し「優れた財政家」に

 田沼意次は日本史の中の三大悪人の一人とされ、賄賂によって政治を左右する最悪の政治家として評価されてきた。他の二人、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)と足利尊氏は、敗戦で皇国史観が消えたことで評価が変わったが、田沼意次についてはそのまま。

「モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち」 楊 海英著 【書評】

 ソ連崩壊後、中央アジアの諸国が独立することによって、ユーラシア大陸で繰り広げられたモンゴル史への研究視点が変わった。歴史の現場と史料群に直接立ち入ることができるようになり、かつて支配的だった中国やロシアを軸とした見方に修正が加えられる。

『電子を知れば科学がわかる』 世界を動かす小さな粒子 【書評】

 目に見えない小さな電子が、世界を動かしている。電気も化学反応も情報通信も、すべては電子の振る舞いに支えられている。江馬一弘著『電子を知れば科学がわかる』は、この一粒子を軸に科学の全体像を描き出す意欲作だ。

「稼ぐ小国」の戦略 関山 健・鹿島平和研究所編著【書評】

 最新の1人当たりGDP世界ランキングで日本は36位。韓国は31位、台湾は35位だ。上位10は7位の米国以外は小国で、特徴的な国家戦略で豊かさを確保している。

「起源でたどる日本語表現事典」 木部 暢子編著・中澤 光平・中西 太郎・平子 達也著 用法と語の由来から探る 【書評】

日本語は「孤立言語」である。つまり、日本語の起源やその系統も十分に解明されていない。

「天気のからくり」 坪木 和久著 観察体験に基づく気象学 【書評】

本書の帯紙に、観測気球からスマホで撮影した地球大気の写真が使われている。美しく感動的な画像で、地球の表面を白い大気が包んでいる。それは薄くて、少しまだらで、暗い宇宙との境目にほの青い靄(もや)が均一にかかっている。

「子どもは誰のものか?――離婚後「共同親権」が日本を救う」 嘉田 由紀子著  行き過ぎフェミニズムに警鐘 【書評】

離婚後に共同親権が認められるのが国際スタンダード。子供の精神的、経済的、社会的な安定につながり、結果として子供の幸せに資するとされる。どんな状況になろうと父親は父親、母親は母親なのだ。ところが、日本では現在、離婚後は父母のいずれか一方を親権者としなければならない「強制的単独親権制度」が採用されている。

「大人をお休みする日」文月 悠光著 自分育ての言葉の記録【書評】

著者は高校3年の処女詩集『適切な世界の適切ならざる私』で中原中也賞を過去最年少18歳で受賞した詩人。NHKテレビ「ことばと生きる」で辞書編さん者・飯間浩明氏との対談が面白くて近著を読んだ。

「赤ちゃんは世界をどう学んでいくのか」奥村 優子著 利他的で、学習の天才

人間の赤ちゃんは他の動物に比べて長期間、親に依存している。これまで無力で未熟な存在と考えられてきたが、最近の研究では、数の認識から善悪の判断に至るまで、驚くべき能力が備わっていることが明らかになっている。

「神聖ローマ帝国全皇帝伝」菊池 良生著 帝国君主たちの悪戦苦闘 【書評】

神聖ローマ帝国が誕生したのは、962年2月2日。東フランク王オットー1世(大帝)がローマのサン・ピエトロ大聖堂で教皇ヨハネス12世の司式により神聖ローマ帝国皇帝に即位した。やがてイングランド、フランス、教皇領を除き、ヨーロッパのほぼ全域を支配し、1806年8月6日、皇帝フランツ2世が神聖ローマ帝国の正式の解散を宣言した。

仏(ほとけ)と冠婚葬祭 玄侑 宗久・一条 真也著 有縁社会を取り戻すために 【書評】

コロナ禍で家族葬が主流になっている。島田裕巳氏の『葬式は、要らない』はその先取りだったかもしれないが、「葬式は必要~有縁社会をめざして」と反論したのが玄侑(げんゆう)氏。「葬儀という儀礼の持つ力で、ご遺族がある種の目覚めを体験し、踏ん切りをつけて歩み出すきっかけにしてほしい」からだ。それが葬儀の社会的側面である。

朝1分 夢をかなえる習慣 武津 文雄著 人生は望むままに実現する【書籍】

20世紀後半、米国で活動したアイルランド出身の牧師ジョセフ・マーフィーの名言集。潜在意識を生かすことで自らや周りの人を成功、幸福へと導く「ポジティブシンキングの法則」を提唱したことで知られる。

空の時代の『中論』について 清水 高志著 仏教の根本思想を読み解く

大乗仏教の古典である龍樹の『中論』を、フランス哲学者が精緻に読み解いている。

「過去と思索(6)」ゲルツェン著 ロシアで読まれた刊行物【書評】 

1852年8月、ロンドンにやって来たロシアの亡命貴族ゲルツェンは、さまざまな人物と出会い、交流を持つ。イタリアの革命家マッツィーニ、イギリスの社会主義者ロバート・オーエン、ロシアから来たドストエフスキーやバクーニン…。

『反日レイシズムの狂気 茂木 弘道著 客観的事実で反日デマを論破【書評】

「日本は3000万人というナチの1170万人を上回るホロコーストを行った」

『自然に生きる』 辰野 勇著  挑戦と冒険の人生は経営にも

著者が生まれたのは1947年、大阪府堺市。隣の奈良県側に金剛山(1125㍍)があった。大阪府下の最高峰で、登ったのは中学生の時。体験するすべてが新鮮だった。

『死が怖い人へ』 久坂部 羊著 人生が面白いと死を忘れる 【書評】

子供のころ死が怖かった著者は、医者になって多くの死を看取(みと)り、次第に怖くなくなったという。

『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴著 動物も言語を使用している【書評】

著者は2022年8月、ストックホルムで開かれた国際行動生態学会で基調講演をし、「動物言語学」について語った。

『ふれあう読書 私の縁した百人一冊』(下)赤松正雄著 面白い交遊書評録 【書評】

ああ、なんと不思議な本!これが、本書をめくった私の第一声である。本のタイトルからすれば、ごく普通の書評集のようだが、私が今まで見たことがない中身である。一言で言えば、わが国の全国紙や雑誌でよく見かける「刺し身のつま」的な無味乾燥な書評では全くない。
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