欧州の最新記事

最新記事一覧

大きな違いがある英仏の核抑止力

欧州で核保有国は英国とフランスの2国だけだ。ドイツ、イタリア、ベルギーなどには米軍の核兵器が保管され、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への核抑止力の役割を果たしている。ここでは、米国が欧州からその核兵器を撤去した場合について考えてみる。

【フランス美術事情】歴史的名画に全身で浸る没入型展示

歴史的名画に全身で浸る没入型展示は、新たな芸術体験だ。デジタル・アート・センター、アトリエ・デ・リュミエール(パリ11区)では、没入型で体験する「ピカソ、動く芸術」と「夢の国のル・ドゥアニエ・ルソー」展が開催されている(6月29日まで)。

ウクライナ支援策、EU首脳合意できず  

欧州連合(EU)は20日開催した新たなウクライナ支援策を協議する首脳会議で、ハンガリーのオルバン首相の反対で支援策について合意できず、全会一致の決定を断念した。残りの加盟26カ国は支援強化などを掲げる文書を採択した。カラス外交安全保障上級代表(外相)の2025年400億ユーロ(約6兆5000億円)規模の軍事支援を全加盟国に課す提案は見送られた。

ウクライナ大統領がフィンランド訪問

ウクライナのゼレンスキー大統領がオレナ夫人を伴い19日、フィンランドを公式訪問した。ストゥブ大統領との首脳会談では、ウクライナへの防衛支援と兵器生産への投資、フィンランドの民間防衛システムとシェルターに関する専門知識の共有、またロシアの侵略戦争終結に向け協議した。

仏大統領 ラファール戦闘機 発注増へ地政学的な「変化」に対応

フランスのマクロン大統領は18日、「空軍用ラファール戦闘機の発注を増やし、製造を加速させる」と明らかにした。地政学的な「変化」に対処する、同国の新たな防衛投資の一環としての決定。

EU、シリアへ追加支援表明 暴力など不安定な国内事情続く

欧州連合(EU)・欧州委員会のフォンデアライエン委員長は17日、シリア国内で最近、暴力事件が多発するにもかかわらず、EUによる25億ユーロ(約4000億円)に上る追加支援を表明した。今後2年間でシリア人に対してEUが約束した支援総額は58億ユーロ(約9280憶円)に達した。

和平維持の軍事計画着手 露・ウクライナ問題で 英首相

スターマー英首相は15日、欧州連合(EU)加盟国首脳らとのオンライン会議を主催し、ウクライナでの一時停戦が実現した場合、停戦状態を維持するための欧州軍事計画が作戦段階に入ったと述べた。英国メディアが伝えた。会議に参加した「有志国連合」の軍指導者らは「和平協定を支持し、ウクライナの将来の安全を保証するための強力、かつ確固とした計画を策定する」会合を20日、ロンドンで開くとした。

ウクライナが米停戦案受諾 ロシアの対応が焦点に

ウクライナは11日、サウジアラビアで行った米国との高官協議で、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、30日間の停戦案を受け入れると表明した。米トランプ政権が早期終戦を図る背景には、中国との対決姿勢を強める中で、対露関係を改善し中露離間を図る目的があるとみられるが、その思惑が実現するかどうかは不透明だ。

米圧力で大西洋同盟に亀裂 強まる欧州安保への当事者意識【連載】ウクライナ侵攻4年目 米欧のあつれき(中)

欧州は米トランプ政権誕生に身構えていたが、その緊張感は予想をはるかに超えている。トランプ大統領がウクライナの鉱物資源を要求、さらにウクライナのゼレンスキー大統領を目の前にして「切れるカードを持っていない」と発言したことで、米国への不信感は頂点に達した。

EU財務相、防衛力強化へ資金調達協議 6月決定目指す

欧州連合(EU)財務相らは10日、防衛力強化への資金調達のための新たな共同借り入れ、既存のEU基金、欧州投資銀行の役割拡大について協議し、6月の決定を目指す。

「強い欧州へ」蘇る英外交 停戦へ主要国会合を主導 【連載】ウクライナ侵攻4年目 米欧のあつれき(上)

ロシアのウクライナ侵攻から3年、早期の戦闘終了を掲げるトランプ米政権の発足を受けて、停戦への機運が盛り上がった。一方で、欧州の防衛力強化を迫るトランプ氏に対し欧州は、対露国防体制の再構築を迫られている。

4年目のウクライナ侵攻、欧州防衛体制を再構築へ 難民増に懸念も

トランプ米大統領がウクライナ支援の一時停止を決め、北大西洋条約機構(NATO)からの撤退をちらつかせる中、欧州連合(EU)の政治家たちは、米国なしも視野に入れた欧州防衛体制の再構築を急いでいる。さらに3年前に押し寄せたウクライナ難民が再びEUに流入する可能性も高まり、懸念が広がっている。経済難で苦しむ欧州諸国は難民受け入れに積極的とは言えない。

マクロン大統領 「仏の核で欧州防衛」議論  ロシアの脅威に強い懸念

フランスのマクロン大統領は5日、国民向けのテレビ演説でロシアの脅威に懸念を表明し、「傍観者でいることは狂気の沙汰だ」と強調した。自国が保有する核兵器による抑止力を欧州の同盟国に拡大する議論を開始することを表明した。

【韓国紙】自強だけが国益守るとの教訓残した米ウ首脳会談

先月28日(現地時間)、破局で終わった米ウクライナ首脳会談は、形式と内容面で全世界に衝撃を与えた。トランプ米大統領は公開の席でウクライナのゼレンスキー大統領を荒々しく問い詰めた。自身が作った終戦交渉案を拒否するゼレンスキー氏に向かって「無礼だ」と面と向かって非難し、「(終戦交渉案を)受け入れなければ、私たちは手を引く」と脅しをかけた。ゼレンスキー氏は「安全の保障」を訴えたが、トランプ氏は拒否した。ゼレンスキー氏は屈辱的な終戦案の受け入れか、抗戦後の敗北かの岐路に立った。自らを守る力がない国と国民が経験しなければならない悲劇だ。他国の話として聞き流すには、韓国が直面する安全保障環境も容易ではない。

核の欧州共有構想で対立 フランス ルペン氏「自国の安保がリスクに」

欧州独自の防衛力強化が議論される中、2月末、仏マクロン大統領は同国が保有する核兵器を欧州諸国で共有する案を提起した。仏政界は敏感に反応し、右派・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン氏は「抑止力の共有は、フランス安保へのリスクになる」と国民議会(仏下院)で強く批判した。

独総選挙 中道右派勝利 政権復帰へ 右派AfDが第2政党に躍進 

ドイツで23日に実施された連邦議会選挙(630議席)は、事前予想通り中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が28・5%を獲得して第1党となり、政権復帰が確実となった。第2党は右派「ドイツのための選択肢」(AfD)で約20・8%を得て、前回総選挙の得票率を倍加させた。一方、ショルツ首相の与党「社会民主党」(SPD)は16・4%と歴史的大敗を喫し、環境政党「緑の党」も振るわなかった

刃物襲撃で死傷者6人イスラム過激派テロ  フランス

フランス東部オー=ラン県ミュルーズで22日、刃物による襲撃事件が発生し、1人が死亡、5人が負傷し、捜査当局はイスラム聖戦主義過激派によるテロとして捜査を進めている。事件は市警察官が容疑者を制圧するまでに「約10分」の間に起きた。容疑者は現在警察に拘留されている。マクロン仏大統領、ルタイヨー仏内相は「イスラム主義によるテロ行為」と断定して捜査を開始したことを明らかにした。

ネットでイスラム過激思想に感化 治安当局は対応に苦慮 オーストリア

オーストリア南部ケルンテン州のフィラッハで15日、23歳のシリア人の男がナイフで通行人を襲撃し、14歳の少年を殺害、5人に重軽傷を負わせる事件が起きた。捜査が進むうちに、容疑者がインターネットを通じて短期間でイスラム過激派思想に染まっていったことが明らかになり、治安当局は対応に頭を痛めている。

脚光浴びる右左両派政党  23日にドイツ連邦議会選

今月23日に実施されるドイツ連邦議会選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)と極左政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟」(BSW)の両ポピュリズム政党の台頭が確実視されている。過半数を占める政党がないとみられる中、両党がキャスチングボートを握る可能性も指摘されている。

平和維持軍派遣で対立 米露ウクライナ交渉控え 欧州首脳

仏パリで17日、ウクライナ支援のための非公式の欧州首脳会合が開催されたが、欧州からの平和維持軍派遣について首脳間で意見に隔たりがあり、具体案がないまま終了した。

未成年者の暴力犯罪、深刻化 武器違法調達で拡散  フランス

フランス南部アヴィニヨンの二つの地区で15日から16日の夜にかけて、カラシニコフ銃を使った新たな銃撃事件が発生した。事件はイゼール県グルノーブルのバーに手榴弾(しゅりゅうだん)が投げ込まれた事件など、フランスで発生したさまざまな事件に、違法な戦争兵器の使用という共通点がある。アヴィニョンの事件では4人の若者が負傷し、15歳の少年が重傷を負った。

イタリアのアクィ師団の悲劇

ニコラス・ファレル氏の評伝『ムッソリーニ』(上下2巻、白水社)を読み、私が最も強烈な印象を与えられたのは、第2次世界大戦におけるイタリアのアクィ師団の悲劇だった。1943年9月に独裁者ムッソリーニが失脚。バドリオ新政権は連合軍との休戦を宣言する。当時、独伊両軍が占領していたギリシャのケファロニア島には、約1万2000人のイタリアのアクィ師団と、2000人のドイツ軍部隊が駐留していた(ただしギリシャ全体には約30万のドイツ軍が駐留、制空権を完全に握っていた)。しかも、バドリオ新政権はドイツを懐柔するために、ギリシャに配備されているイタリア軍をドイツ軍の指揮下に置くことに同意した。

車突っ込み、約30人負傷 欧州安保会議の前日 独ミュンヘン  

ドイツ連邦議会選挙の投票日を10日後に控えたミュンヘンで13日、車が群衆に突っ込み、少なくとも30人が負傷した。警察当局によると、運転していたのは24歳のアフガニスタン人亡命希望者で、地元メディアではファルハド・Nとされている。容疑者は現場で逮捕された。

【フランス美術事情】ミュージアムコネクションズで新たな芸術体験

大規模な修復が必要なパリの世界最大規模のルーヴル美術館には、昨年、約900万人の来館者があった。同美術館では2019年末、イタリアの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチの特別展に2カ月半で100万人の来館記録を打ち出した。

AIサミットで米英署名せず バンス副大統領「規制より可能性」

仏パリで開催された「AI(人工知能)アクションサミット」は11日、AI技術の悪用回避のため、「オープン、包括的、倫理的」なアプローチを謳(うた)う共同声明で閉幕したが、米英は署名しなかった。開催国のフランスや日本、中国、インドなど60カ国・地域が署名した。

4年目のウクライナ紛争 欧州委 防衛体制再構築を準備 軍事的緊急事態へ対処

欧州の複数のメディアは10日、欧州委員会のアンドリウス・クビリウス防衛宇宙担当委員が3月19日までに提出予定の「欧州防衛白書」で、欧州連合(EU)が差し迫った軍事的緊急事態と世界規模の安全保障上の課題の両方に備えるための対策を準備していると伝えた。現在、加盟27カ国は財政赤字に苦しんでおり、防衛費増額について新たな枠組みを必要としている。

アサド政権崩壊でテロ脅威高まる 多言語で過激主義拡散 フランス

シリアのアサド政権崩壊により、欧州でシリアとの関係が強いフランスの治安当局は新たなテロの脅威への対応に追われ、警戒を強めている。SNSが多言語で利用できるようになったため、言語の壁を越えてイスラム聖戦主義が拡散しており、さらにテロや麻薬密売への関与の低年齢化が指摘されている。(パリ安倍雅信)

テロの脅威高まる フランス テロ対策当局者が指摘

仏国内治安総局(DGSI)のベルトン国家対テロ検察官はこのほど、イスラム過激派の攻撃の脅威が高まっているとの認識を示した。フランスでは昨年、ほぼ10年ぶりにテロによる死者が出なかったが、イスラム聖戦主義の脅威が後退しているわけではなく、海外で設立されたテロ組織が、フランス国内を攻撃するための中継拠点を探していると指摘した。

仏下院が内閣不信任案否決 25年予算成立へ

予算審議が数カ月難航していたフランスの国民議会(下院)は5日、バイル内閣に対する不信任決議案を否決した上で、2025年予算成立にこぎ着けた。過半数を占める政党が存在しない中、予算案を巡っては、バルニエ前内閣への不信任案が可決され、退陣。首相に就任したバイル氏は3日、憲法特例条項の緊急事態に議会審議を経ずに政策を可決させる方法を選んだ。

米露朝3カ国会談模索か 朝鮮半島問題でトランプ氏 在欧韓国外交筋

在欧の韓国外交筋が4日、本紙に明らかにしたところによると、トランプ米大統領は朝鮮半島問題を巡る金正恩朝鮮労働党総書記との会談を、ロシアのプーチン大統領を加えた3カ国会談とすることを目指している。

人気記事(1週間)

おすすめ記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »