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旅・レジャーの最新記事

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遊行寺と共に発展した街 意外と知られていない歴史ー湘南・江の島の玄関口(神奈川県藤沢市)

今年もあとわずか。この季節になると、年始の風物詩、箱根駅伝の話題が少しずつ人々の口に上ってくる。その箱根駅伝の中でも難所の一つが「遊行寺(ゆぎょうじ)の坂」だ

弱き信仰者のための文学 “受難の長崎”で踏絵と出合うー遠藤周作『沈黙』

遠藤周作(1923~96年)が「神の沈黙」という宗教や信仰を超えた根源的な問いに切り込んだ小説『沈黙』。この作品が生まれたのは、遠藤が仕事の合間にふらりと訪れた長崎で偶然「踏絵」を目にしたことがきっかけだった。

老舗旅館2軒の対立と和解 「松坂屋」の家族をモデルにー獅子文六『箱根山』

作者・獅子文六が興味を引かれたのは「ケンカばかりしている山のこと」だったが、魅力的だったのは箱根の歴史。修験道の発達、関所の開設、文人たちが集まった芦之湯の東光庵…。

大正・昭和のレトロ建築 ステンドグラス輝く開港記念館ー横浜三塔 (神奈川県横浜市)

「横浜三塔」とは、横浜のシンボルとなっている三つの建物で、神奈川県庁舎、横浜税関、横浜市開港記念館。順番に「キングの塔」「クイーンの塔」「ジャックの塔」の愛称を持つが、これは横浜港に入港した外国人船員たちが、トランプの絵札に見立てて名付けたものという。

民間伝承を文学に昇華ー柳田國男『遠野物語』

『遠野物語』は、柳田國男が岩手県遠野出身の佐々木喜善から聞いた郷土の伝承を簡潔な文語体でまとめ明治43年に発表したもので、日本民俗学の先鞭(せんべん)をつけた傑作である。

山上は避暑地として人気ー六甲高山植物園 (兵庫県神戸市)

標高931メートルの六甲山上は神戸市街地に比べ気温が5~6度も低く、絶好の避暑地として親しまれている。中でも六甲高山植物園は高山植物を自然に近い状態で観賞できるのでお勧め。

戦中派の微妙な心理ー阿川弘之『鮨』

『山本五十六』『米内光政』『井上成美』の海軍提督三部作をはじめ、海軍物の評伝が代表作の阿川弘之は、文壇デビューの頃から短編の名手でもあった。「新潮」平成4年1月号に発表された『鮨』は、著者最晩年の短編。若い頃とは違う円熟した味わいの名編だ。

薩摩隼人が生きた城下町ー司馬遼太郎『翔ぶが如く』

「濃い群青の錦江湾に浮かぶ桜島の山容とその色彩が、どの名陶をも見すぼらしくさせてしまうほどの凄みをもって迫ってくる」と、司馬遼太郎は桜島の感想を残した

えのすい特別企画展 「イルカとクジラ Coool Dolphin」ー新江ノ島水族館

2004年にリニューアルオープンしてから今年で21年。新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)はイルカとクジラをテーマにえのすい特別企画展「イルカとクジラ Coool Dolphin」を7月4日から開催中

夏真っ盛りの江の島を行くー観光と歴史が交わる島

東京・新宿から小田急ロマンスカーで約70分、特急と在来線を使っても2時間はかからない観光地、江の島(神奈川県藤沢市)。夏のシーズン(7月1日から8月31日まで)は、数多くの観光客などで連日賑(にぎ)わっている。夏真っ盛りの7月中旬に足を運んだ

青年たちの結婚巡る悲劇ー遠藤周作『さらば、夏の光よ』

<お茶の水駅で下車して、改札口に近い構内の電気時計を見る時は、必ずといっていいほど、針は十時を十分ほどすぎていた>小説の登場人物の一人、遠藤周作先生はB学院の講師で、フランス文学の授業を担当している。「また遅刻をしたな」と思いながらも、足を早めることはせず、静かな屋敷町に向かって歩いていく。

人工都市と古き良き里山の風景ー「よこやまの道」(東京都多摩市)

東京都町田市、稲城市、多摩市、八王子市にまたがる多摩丘陵。そこに約50年前、〝多摩ニュータウン〟が建設された。時代の流れとともに高齢化の波が押し寄せ、団地の建て替えの話も進む。多摩市は近年、遊歩道の整備を進め、健康都市宣言を掲げる。その一つに万葉集にも記されている『よこやまの道』がある

敗戦でも滅びぬ日本の美ー川端康成『山の音』

日本の敗戦の悲しみに沈んでいた川端康成は昭和24年、再び本格小説の筆を執り、『千羽鶴』と『山の音』の2作に取り掛かった。どちらも名作の誉れが高いが、特に『山の音』は、「戦後の日本文学の最高峰に位するもの」(新潮文庫、山本健吉解説)とまで言われる。

新緑の「雄国せせらぎ探勝路」を歩くー福島県裏磐梯・雄国沼(福島県北塩原村)

福島県・裏磐梯の雄国沼は、周囲を猫魔ヶ岳、古城ヶ峰、雄国山などの山々に囲まれて標高1090㍍にたたずむ天上の湖沼だ。雄国沼湿原植物群落は国の天然記念物に指定されており、6月下旬から7月初旬にはニッコウキスゲの大群落が見頃を迎える。「雄国せせらぎ探勝路」を歩いた

淡く切ない恋を清冽に モデルの地、鶴岡市に点在ー藤沢周平『蝉しぐれ』

藤沢周平の長編時代小説『蝉しぐれ』は、下級武士の家の養子となった主人公・牧文四郎が隣家の娘・小柳ふくの蛇に噛(か)まれた指から毒を吸い取るという冒頭の章「朝の蛇」から始まる

商家の旦那衆の社交場ーひがし茶屋街(石川県金沢市)

百万石の城下町・金沢の代表的観光スポット、「ひがし茶屋街」を歩いた。重要伝統的建造物群保存地区に指定された茶屋街で、格子造りのお茶屋の建物が軒を連ねる。江戸時代末期にできたお茶屋の中を見学し、町家を改造したカフェや甘味処では、金沢ならではのこだわりのスイーツを楽しむことができる

深川で迎えた人生の転機 新たな句境求めて旅路にー中山義秀『芭蕉庵桃青』

隅田の長江に鱸(すずき)のをどる、初秋の季節となつた。天地がにはかに明るく、ひろびろとしてきた感じである。芭蕉は読みかけの冊子をそのままひとり、文台によつて長江にむかつて舟のゆききを眺めてゐる。なかば放心のていで、時たつてもその姿勢をくづさない

パワースポット葛原岡神社ー尾根から遠望する相模湾

山々が相模湾を囲むように鎌倉の街を取り巻いている。自然の豊かな街で谷戸が奥深く入っている。市街地の西側、南北に走る尾根をたどるのが葛原岡・大仏ハイキングコースだ。約3㌔。街は東側に広がっている。歩いてみると意外に小さな街だと分かる

昭和の銀座にタイムスリップ 築地川は道路と公園にー三島由紀夫『橋づくし』

今年生誕100年を迎える三島由紀夫は、短編でも優れた作品を多数残した。中でも評論家の奥野健男が「憎らしいほど巧みな小説」と評するのが、銀座・築地界隈(かいわい)を舞台にした『橋づくし』だ

華やかな平安京の趣を今に 世界文化遺産「平等院」ー京都府宇治市

京都の南に位置し、神社仏閣や緑茶の生産地として知られる宇治市。10世紀に建てられた仏教寺院の平等院には、天下泰平の象徴とされる鳳凰を冠した鳳凰堂が優美な姿を見せる。境内のノダフジやツツジもちょうど見ごろである。隣接する「鳳翔館(ほうしょうかん)」は平等院に伝わる宝物を展示する博物館として見逃せない。宇治川の中州に整備された公園「中の島」を散策すれば意外と面白い発見も

文豪に愛された団子坂 言文一致で近代小説を牽引ー二葉亭四迷『浮雲』

二葉亭四迷(ふたばていしめい)(1864~1909年)の代表作『浮雲』の登場は、日本文学史における事件だった。

桜とミズバショウが見頃、早春の角館とその周辺ー秋田県仙北市

東北に春がやってきた。この時期、秋田県の一番人気は仙北市角館(かくのだて)の桜だが、田沢湖に近い刺巻(さしまき)湿原のミズバショウは心洗われるすがすがしさがある。その途中の「森の駅」は規模は小さいがホッとする空間。そして角館の武家屋敷も興味深い

祖霊が鎮まる山の麓で 生と死、自分を見詰め直すー森敦『月山』

1974(昭和49)年に芥川賞を受賞した森敦の小説『月山(がっさん)』は、山形県朝日村(現鶴岡市)にある真言宗注連寺(ちゅうれんじ)に滞在した彼の実体験を基に書かれた。森は鶴岡市内にある別な寺の住職から紹介され注連寺を訪れる

小浜「三丁町」散策ー福井県小浜市

若狭地方の中心、福井県小浜市はかつて「鯖(さば)街道」の起点、北前船の寄港地として栄えた。京都に近くその影響を受けながらも、若狭湾の海の幸に恵まれたこの地方独特の文化が育った。市内の西部に位置する小浜西組一帯は、かつての商家や茶屋街があり、今も趣のある古い町並みが広い範囲で残っている。その中心「三丁町」を散策しながら、往時の繁栄を偲(しの)んだ

番頭修行の晴れ舞台江の島ー井伏鱒二『駅前旅館』

この小説の主人公は上野駅前にある柊元(くきもと)旅館の番頭だ。 <名前は生野治平と申します。生まれは能登(のと)の輪島、早くから在所を離れました。六つのとき、お袋が事情があって私を東京へ連れ出して、駅前の春木屋という旅館に身を寄せました。>

春待つ城下町ー福島県三春町

福島県のほぼ中央部に位置し、桜と歴史文化の城下町、三春。桜咲く季節には国指定天然記念物「三春滝桜」を一目見ようと海外からも観光客が訪れ、町は一気に華やかなムードに包まれる。じっと春を待つ城下町を訪れた

明治青年の人生哀切にー田山花袋『田舎教師』

田山花袋(たやまかたい)の代表作の一つ『田舎教師』の冒頭である。文学趣味を持ち向学心にも富みながら、結核を患い田舎の代用教員として短い生を終えた青年が主人公。日露戦争の時代を背景に関東平野の自然や風物を丹念に描きながら、主人公(林清三)の哀切な人生を浮かび上がらせている

鎌倉アルプスー神奈川県鎌倉市

鎌倉の市街地を囲むように山々が包んでいる。その北東側に大平山(おおひろやま)や天台山があり、この尾根をたどるルートが天園ハイキングコースだ。家族連れに人気がある。多くの人たちは北鎌倉駅の南東にある建長寺から登っていくが、今回は尾根の南麓にある鎌倉宮から登り始めた

年始客避け旅に出た漱石ー夏目漱石『草枕』

研究者によれば、漱石が五高(現熊本大学)の英語教師に赴任していたのは、明治29(1896)年4月から33年4月。そして、熊本からこの小説の舞台となる小天(おあま)温泉(玉名市天水町)に旅行に行ったのが、明治30年の12月末だった

流氷体験ツアーー北海道網走市

北海道はオホーツク海に面する町、網走市。流氷が接岸する町として有名だが、今から1300年前のオホーツク文化の遺跡とされるモヨロ貝塚や北海道開拓の歴史を伝える網走監獄など古き時代の足跡が点在する。そんな網走周辺の魅力を発信しようと北海道中央バスとエア・ドゥ(AIRDO)が旅行ツアーを企画、そこに便乗して網走周辺の観光名所を取材した
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