トップオピニオン社説東京都議会選挙 自民以外を探す有権者が急増【社説】

東京都議会選挙 自民以外を探す有権者が急増【社説】

来月に控える参院選挙の前哨戦として位置付けられた東京都議会選挙で、自民党が過去最低の議席数となる歴史的惨敗を喫した。昨年の衆院選で与党が過半数割れした支持離れの傾向は強まっているといえ、自民以外の投票先を探す有権者が急増したことを表す結果になった。

首相「非常に厳しい審判」

石破茂首相は都議選結果が出た23日、「非常に厳しい審判」と記者会見で述べた。米価高騰に対策を打つ小泉進次郎農林水産相の登場で内閣支持率が上向くと、自民には衆参同日選を狙って衆院解散論も浮上。立憲民主党はこれに物怖(お)じして内閣不信任案を提出しなかった。選挙結果は「支持率回復」を打ち消すものだった。

しかし、都知事選に続き都議選でも一部で選挙協力した立民と共産党の都政野党が増えたとは言えない。立民が5議席増えて17、共産が5議席減らして14で、合わせれば変わらない。旧民主党野党転落後の2013年都議選で共産が躍進し、野党共闘を主導する契機となったが、野党第1党は立民に代わった。

自民が失った票は、小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」、国民民主党、参政党など中道・保守政党に向かったとみえる。告示前30議席で第1党だった自民は、当選者数わずか18。3人を追加公認して21議席としたものの、17年都議選で小池氏が都ファを立ち上げたことで過去最低になった23議席よりも落ち込んだ。

公明党も9回連続の全員当選を逃し、告示前23議席から19議席に減らす敗北だった。が、自民は追加公認がなければ公明より少数になるところだった。会派裏金問題などで7人が非公認となり無所属出馬した事情もあるが、都政への影響力低下は避けられないだろう。

都ファは告示前26議席から31に、議席のなかった国民と参政はそれぞれ9議席、3議席を得た。だが、これら3党に特段の追い風があったわけではない。都ファは、ブームとなった17年当時と比べてメディアに取り上げられる頻度は少なくなった。国民は参院選候補者選定を巡るスキャンダルの蒸し返しなどで上昇していた支持率が下降に転じていた。参政はミニ政党で政界に存在感が薄い。

結局、ブームも追い風もない選挙で、有権者は自ら考え自民以外の投票先を求めたということになる。議席は得なかったが、日本維新の会、再生の道も選択肢となったであろう。

保守政党の原点に返れ

この傾向は、昨年の衆院選で与党過半数割れした逆風のままだ。自民党は大衆迎合的なLGBT理解増進法制定、選択的夫婦別姓導入に傾きかけた党内論議で保守層の信頼を失った。

昨年の総裁選では党員投票の結果が議員投票で覆されて反映されなかった。首相に就任したのは石破氏だが、直後に打った衆院解散・総選挙で歴史的惨敗をしたにもかかわらず、責任を取って退陣のけじめをつけていない。審判されているのは、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた後に岸田文雄氏~石破氏が手掛けて左傾化した政権運営ではなかろうか。保守政党の原点に立ち返るべきだ。

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