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「国境なき人権」に被害を証言


“拉致監禁”の連鎖(241)パート10
被害者の体験と目撃現場(27)
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「国境なき人権」の調査で、人権活動家のハンス・ノート氏(右)の取材を受ける山田舞(仮名)さん

 後藤徹氏が12年以上も監禁されていたことを知った後、舞さんはなぜ拉致監禁が起こるのかを考えた。

 「詳しく知らない宗教に子供が入るのを親が心配すると言うが、拉致監禁は犯罪だ。なぜ、その一線を越えてしまうのか」。

 そう思案していると、東京の実家で、自宅に郵送された「会費が救出活動を支えている」と書かれた水茎会OB会の会費振り込みの案内や、「私は愚かもののばか」という文言が計6カ所に書かれた母親の聖書を見つけた。

 さらに、宮村峻氏ら脱会屋や強制改宗牧師のことを調べれば調べるほど、その非道さを知ることとなり、許せなくなった。

 舞さんは「親が拉致監禁するのは、過剰な不安を煽る水茎会や脱会屋の教育が原因だ。親を操って、拉致監禁という犯罪に手を染めさせるやり方は許せない」と思った。

 拉致監禁を根絶させるために声を上げている被害者やジャーナリストの姿を見て、「一緒に糾弾できれば」と、詳細な目撃証言を行う決心をした。

 その頃、後藤氏が宮村氏、新津福音キリスト教会(新潟県)の松永堡智牧師、家族らを刑事告訴し、被疑者らは書類送検されていた。

 舞さんは思い出したくもない拉致監禁の体験を振り返りながら、重要な目撃証言となる陳述書の準備をした。しかし、それを提出する前に、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分として片付けてしまった。

 後藤氏はその後、2億円余りの損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こした。後藤氏の監禁現場を直接見た舞さんの貴重な証言は、この裁判に提出されることになった。

 一方、2011(平成23)年秋頃に、欧州の著名なNGO人権団体「国境なき人権」(本部・ブリュッセル)が、舞さんに話を聞きたいと面会を求めてきた。

 協会、反協会のどちらのサイドにも立たない第三者機関の人権団体が直接、拉致監禁の実態調査に動き、被害者の聞き取りを進めていたのだ。

 舞さんは「国境なき人権」が被害者や関係者、国会議員らを取材していると聞き、「ついに名のある人権団体が拉致監禁問題を調査してくれるようになったか」と感激した。

 数週間後、舞さんは韓国・ソウルで人権活動家のハンス・ノート氏と対面。約1時間半にわたって拉致監禁の被害状況を丁寧に語った。

 恰幅がよく穏やかな表情のノート氏だったが、人権問題に対する目は厳しいものがあった。

 舞さんは、自身がいかに非道な人権侵害に遭ってきたか、それによってどれほど傷ついたかを切々と訴えた。

(「宗教の自由」取材班)