宇宙滞在1年へ、ソユーズ出発


火星行き念頭、次は油井さん

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27日、カザフスタンのバイコヌール基地で、宇宙船ソユーズに搭乗する米露の3飛行士。米国のケリー(中央)とロシアのコルニエンコの両飛行士(上)は約1年間の長期滞

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する米露の宇宙飛行士3人を乗せたロシア宇宙船ソユーズ「TMA16M」がモスクワ時間27日夜(日本時間28日未明)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げに成功した。AFP通信によれば、米航空宇宙局(NASA)は、ソユーズが無事ISSにドッキングしたことを明らかにした。

 3人のうち2人は今回、通常の2倍の約1年間滞在。次のソユーズで5月に出発する日本人飛行士の油井亀美也さんをISSで迎え、帰還も見送ることになる。

 約1年間の滞在は、ソ連設計の宇宙ステーション「ミール」運用以来。ロシアが将来目指す500日間以上の火星往復を念頭に、長期滞在が人体に与える影響を調べる目的もある。連続滞在の過去最長記録は1990年代のロシア人飛行士の437日間。

 米露の2人と油井さんらは、9月にやはりソユーズで10日間の宇宙旅行を計画する英国の世界的なソプラノ歌手サラ・ブライトマンさんをISSで歓迎する予定だ。

 一方、ソユーズに乗るもう1人のロシアのゲンナジー・パダルカ飛行士は、過去4回で宇宙滞在合計710日間。今回の飛行で803日間の過去最長記録を上回る878日間に達する見通しで、本人は記者会見で1000日間超えにも意欲を示している。(モスクワ時事)