米大統領、「ねじれ」で厳しい政権運営に


トランプ支持、依然底堅く

解説

 トランプ米大統領にとって初の「信任投票」でもあった中間選挙で、与党共和党が下院で多数派の座を民主党に譲った一方、上院では過半数の維持を確実にし上積みもうかがう展開となった。

 トランプ氏は、選挙戦で、無党派層や穏健派に支持基盤を拡大させることを目指すよりも、2016年の大統領選で自身を勝利に導いた支持層固めに集中してきた。

 終盤の応援演説でトランプ氏は、連邦最高裁判事に保守派のブレット・カバノー氏を就任させたことや不法移民への強硬姿勢を繰り返しアピールした。これによって、米国の人口の約4分の1を占めると言われるキリスト教福音派や白人労働者層などのコアな支持層を活性化。民主党との間で開きがあった共和党支持者の中間選挙への関心を高めることにつながった。

 これが特に奏功したのが、上院だった。保守的な地盤の州で共和党新人が民主党現職から議席を相次いで奪うなど、支持基盤の底堅さを示すことになった。

 一方、民主党は、下院では、トランプ氏の政治手法や言動に批判的な高学歴の女性が多く住む都市近郊などで共和党現職から議席を奪うなどして、過半数を獲得した。

 ただ、当初、民主党のシンボルカラーにちなみ「ブルーウエーブ」ともてはやされたほどの勢いは見られなかった。CNNテレビのジェイク・タッパー氏は6日夜の番組で、16年の大統領選でトランプ氏が勝利した選挙区で民主党候補が敗れたことを指摘し、「これはブルーウエーブではない。共和党は国の所々に、ある種の壁を築いたようだ」と述べ、民主党の勢いが限定的だったことを強調した。

(ワシントン・山崎洋介)