世界日報 Web版

コロンビア政府、対ゲリラ和平交渉を中断


軍施設攻撃受け

 コロンビアのサントス大統領は10日、左翼武装ゲリラ組織・民族解放軍(ELN)が同日未明、同国北東部アラウカ県の石油パイプラインや軍施設などを攻撃したことを受け、和平交渉を中断することを発表した。

800

コロンビアの左翼ゲリラ民族解放軍(ELN)の兵士たち 2017年11月20日、西部チョコ州(AFP 時事)

 ELNは、同国最大の左翼ゲリラ組織「コロンビア革命軍(FARC)」が、政府との和平合意によって解散した後、同国に残る最後の左翼ゲリラとして政府に抵抗している。

 コロンビア政府とELNは、半世紀以上に及ぶ内戦を経て昨年2月に初の和平交渉を開始した。エクアドルの首都キトで話し合いを続け、10月に初めて3カ月間の停戦に合意し、9日に期限を迎えていた。

 現地メディアが報道したところによると、ELNは停戦期間終了後の数時間以内にパイプラインを攻撃。また、軍施設への攻撃では2人の兵士が負傷した。パイプライン攻撃の背景には、コロンビア政府が進める外資誘致への反発があったと見られている。

 ELN側には、外資導入のため和平合意を急ぎたい政府を攻撃で揺さぶり、交渉で有利な条件を引き出したいとの狙いも見えるが、政府側がゲリラに対する掃討作戦を再開する可能性もある。

 こうした中、グテレス国連事務総長が今週末にもコロンビアを訪問する予定だ。グテレス氏は、FARC解散と政党移行の和平プロセスを視察する一方、政府とELNの和平交渉の再開に向けてサントス大統領を始めとする政府関係者らと会談する。

 コロンビアの内戦では一般市民を含む800万人が犠牲となっている。

(サンパウロ綾村悟)

 コロンビア民族解放軍(ELN) 1964年にキューバ系の反政府武装勢力として設立、創設当初は、キューバ革命に影響を受けた学生や解放神学に傾倒したカトリック関係者らによって構成されていた。武装構成員約4000人。