イスラエル総選挙、右派が過半数


ネタニヤフ首相再選へ

 9日実施されたイスラエル総選挙(定数120、全国1区の比例代表制)は、同日夜から開票が進められ、開票率97%の段階で、ネタニヤフ首相率いる現与党の「リクード」を中心とする右派勢力が、ガンツ元軍参謀総長率いる中道政党連合「青と白」などの中道・左派系を上回り、過半数に達する見通しとなった。

ネタニヤフ首相

10日、イスラエルのテルアビブで支持者にあいさつするネタニヤフ首相(右)(AFP時事)

 イスラエルのメディアによると、「リクード」と「青と白」が共に35議席を獲得し第1党を争う。どちらも過半数議席には達していないものの、連立の枠組みでは右派や宗教の各政党からなる右派勢力が計65議席を獲得する可能性があり、中道・左派は計55議席にとどまる見通しとなっている。選挙の最終開票結果は12日までに発表される予定。

 ネタニヤフ氏は10日未明、商都テルアビブで行われたリクードの集会で支持者を前に「驚異的な勝利の夜だ」と勝利を宣言。「右派(連立)政権になるだろうが、首相はとにかく私になるだろう」と語った。

 イスラエルでは、総選挙で第1党となった党首か、連立により過半数の61議席以上を確保可能な政党の党首に、大統領が組閣を要請する形になっているため、右派政党や宗教政党とのつながりが深いネタニヤフ氏が組閣要請を受け、首相に再任される可能性が高い。これまで4期約13年にわたって政権を率いてきたネタニヤフ氏が再任されれば、連続4期、通算5回目の首相就任となり、在任期間は年内にもイスラエル史上最長となる。

(エルサレム 森田貴裕)