冬に入った北非核化交渉、来年に向け熾烈な神経戦


韓国紙セゲイルボ

 季節と朝米非核化交渉に相関関係があるだろうか。3月初め、鄭義溶特使の北朝鮮訪問で始まった平壌とワシントンの非核化交渉は初夏のシンガポール会談で絶頂に達し、秋になり散る落葉のように熱が冷めた。非核化交渉について季節的要因を論じるのは、朝米関係が徐々に冬の局面に入ったことを指摘しようという意図からだ。

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北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=1日に朝鮮中央通信配信、平安南道陽徳郡(AFP時事)

 6月のシンガポール会談から5カ月ぶりに金正恩労働党委員長の軍戦術兵器試験指導のニュースが労働新聞で報じられた。金委員長が軍備増強現場に姿を現したのは昨年11月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射から1年ぶりだ。米国の中間選挙以後、朝米高官級会談が延期された状態で続く米国の核兵器と施設に対する申告要求を外交交渉で無力化させる対策が限界に来たという平壌の判断だ。

 「先に制裁緩和・終戦宣言」を主張する北朝鮮と、「先に核・ミサイルリスト提出」を迫る米国との調整で突破口を探せないまま、1年を締めくくる冬の季節に入つつある。この6カ月間の夢のように過ごした朝米指導者間の蜜月はもはや現実に戻るしかない。

 結局来年1月20日米国の年頭教書が発表される時点まで朝米間の関係は不可避的に冬眠期に入るだろう。双方が心理戦で相手の弱点を公開して、軍事的行動の予告可能性を残しておくことによって、来年度の第2ラウンドの交渉で有利な立場を占めようとするリング外での熾烈(しれつ)な神経戦が冬の間中繰り広げられることになるはずだ。

(南成旭(ナムソンウク)高麗大行政大学院長、11月19日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。