米中の貿易戦争は“夕立ち程度”なのか


韓国紙セゲイルボ

 結局、米中貿易戦争が炸裂(さくれつ)した。両国は6日、各々340億㌦規模の関税爆弾を投下した。状況が変わらない限り追加関税の賦課もある。

 米中に続き欧州連合(EU)、ロシアなどまでも貿易戦争に参戦したのに、韓国の一部では楽観論が出回っている。チキンゲームは皆に損害を与えるだけだから妥協点が見つかるという見方だ。文在寅政府もそのように見ている。

 白雲揆(ペクウンギュ)産業通産資源部長官は最近「短期的影響は制限的」との見解を示した。妥当だが問題点もなくはない。現在の乱気流が超大型台風の前兆なのか、誰も分からないという点だ。これを“夕立ち程度”と予報する代表が韓国政府である。

 韓国経済が政治の混乱や北朝鮮リスクにもかかわらず、持ちこたえているのは世界経済好況のおかげだ。その軸が壊れれば墜落を覚悟しなければならない。

 米軍艦が7日、台湾海峡を通過した。こうした局面で楽観ができるのか。まして政府が夕立ち程度だと甘い予測をしている。韓半島の気候帯が激変するかもしれない局面なのにだ。

 国民の安全と財産に責任を負う政府は最悪のシナリオに備える責務がある。大韓民国は米国とは「同盟」、中国とは「戦略的パートナー」関係だと誇るが、その二つは真に両立可能なのか。今回の米中の衝突が投げる根源的な問いだ。

 韓国の輸出相手の4分の1が中国という対中依存体制が持続可能なのか、建設的代案は何なのかというところから徹底的に確かめなければならない時期だ。

(李承鉉(イスンヒョン)論説顧問、7月10日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。