韓国は刀の振り方を忘れてしまったのか


韓国紙セゲイルボ

 南北、朝米首脳会談後に、韓半島で混沌(こんとん)状態が続いている。戦争のない平和な韓半島。漠然とした期待に浮き足立っている。韓国だけがそうなっている。北朝鮮の金正恩国務委員長は「良い世の中をつくってみよう」と言った。それでもう平和が来たかのように錯覚しているが、戦争を起こして70年、いまだに北では鉄拳統治が続いている。

 文正仁(ムンジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官はこう言った。「同盟は国際関係でとても自然でない状態だ。最善の方策は同盟を除去することだ。…北朝鮮の首領体制を蔑視してはいけない」。文特別補佐官だけがそう言うのだろうか。あちこちで似た声を聞く。「金正恩の真心をなぜ信じることができないか」とも。

 歴史をひもとけば、三国時代を見ても権謀術数の歴史だった。今も全く変わらない。韓半島の荒波の本質はそれ以上でも以下でもない。

 「完全な非核化」を語りながら3度も訪中した金正恩。「終戦宣言を保留せよ」という習近平中国国家主席は対北制裁緩和カードを出した。韓半島での勢力争いで勝つためだ。

 一方、韓国は金正恩委員長と一度も通話できないまま、一方的に韓米合同軍事演習を中断させ、在韓米軍撤退論まで持ち出した。北朝鮮の非核化措置がないのにである。

 ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は、「刃こぼれがあっても、刀の振り方を忘れてはならない」と言った。自身を守る準備をしない者は過酷な運命の前に立つことになる。

(姜浩遠論説委員、7月2日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。