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第一歩踏み出した韓半島非核化


韓国紙セゲイルボ

履行過程見守り冷徹な備えを

 朝米首脳の“歴史的”対面は、北朝鮮の非核化と韓半島の恒久的平和のための第一歩を踏み出したという点で非常に大きな意義がある。昨年は戦争危機説に包まれた韓半島に真の平和の幕を上げたという点で、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の決断は肯定的評価を受けるのに充分だ。

トランプ氏(右)と金正恩氏

12日、シンガポールのカペラホテルで合意文書に署名後、握手するトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(AFP時事)

 だが「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)の概念に朝米両国がどれくらい合意したかという観点で見れば、共同声明の内容は極めて原則的な水準に終わった。特に期待した非核化の時刻表、非核化完了期間に対する言及が全くない。これは今後、難しい交渉が展開することを予告している。ポンペオ米国務長官は首脳会談前日、「CVIDが米国の唯一の目標」と明確にした。北朝鮮に対する体制安全保証の内容が何なのかは現在としては知る術(すべ)がない。

 北朝鮮はかなり以前から一貫して北朝鮮が核開発する理由は米国の対北敵視政策にあると主張してきた。これを放棄しようとすれば、軍事的に韓半島の休戦状態を終結させて、恒久的な平和協定を締結しなければならない。政治的には北朝鮮体制を外部から揺さぶる試みを中断し、北朝鮮を主権国家と認定する一方、朝米関係の正常化がなされなければならない。経済的には北朝鮮に課せられた国際制裁を解除して、北朝鮮の対外通商に対する制約を解かなければならない。

 果たしてトランプ政府がこの70年間、敵対関係を続けてきた北朝鮮を突然、正常国家と認定して、関係正常化まで推進する用意があるのか疑問だ。結局、会談以後の具体的な非核化の履行過程を見守らなければ、今回の会談の真の評価はできないということだ。

 韓国が想像できる最悪のシナリオは、不明瞭な非核化合意を朝米両国が外交的大成功として粉飾する場合だ。そうなると対北制裁は解除され、履行過程に問題が生じても、この流れを戻すことは不可能になる。北朝鮮は事実上の核保有国としてパキスタンの道を行くことになる。

 これはトランプ大統領には外交的成功かもしれないが、韓国としては極力避けなければならない事態だ。予想通りトランプ大統領は首脳会談が「非常に成功的だ」と発表した。祭りの熱が冷めてから韓国に渡される請求書に身構えなければならない。

 完全な非核化が履行されるのか、非核化費用はどのように分担するのか、そして在韓米軍の縮小、国連司令部の地位変化など韓国が負担しなければならない部分を冷徹な国益の観点から備えなければならないだろう。

(李相賢(イサンヒョン)世宗研究所首席研究委員、6月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。