「平和繁栄の出発点に立った」金正恩氏


「10年出来なかった話をしよう」文大統領

 【高陽(韓国北西部)上田勇実】
 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による第3回南北首脳会談が27日午前10時15分ごろ、南北軍事境界線にある板門店の韓国側施設「平和の家」で始まった。

 会談冒頭、金委員長は「平和繁栄、北南(南北)関係の新しい歴史が刻まれる瞬間に、こうした出発点に立ち、のろしを上げる気落ちでこの場に来た」と述べた。また「以前繰り返したように原点に戻って履行できない結果を招くよりは、未来を見つめて手を取り合って歩んでいく契機にしよう」と呼び掛けた。

 一方、文大統領は金委員長が北朝鮮のトップとして初めて軍事境界線を越えて韓国の地を踏んだことについて「板門店は分断の象徴ではなく平和の象徴になった」と指摘。また「この10年間できなかった話を十分にするよう願う」し、自ら大統領秘書室長として関わった2007年第2回南北首脳会談での合意履行などについて話し合う考えを示唆した。

 会談は韓国側が文大統領と任鍾晳大統領秘書室長、徐勲国家情報院院長の3人、北朝鮮側も金委員長と妹、与正党第一副部長、金英哲統一戦線部長の3人がそれぞれ参加。午前の会談は正午前に終わり、金委員長一行は専用車で北朝鮮側に戻った。