成果主義より地域特性生かした観光政策を


韓国紙セゲイルボ

 国内外の旅行に出掛ける人が増えるとともに、その目的も多様化している。しかし、地方自治体などでは観光対策として予算をつけて新しい施設を造ることだけに汲々(きゅうきゅう)としているのが現状だ。結果、同じような施設が全国各地に造られ、観光客は変わり映えのしない風景を見させられることになる。このような“観光開発流行”は旅客数等の成果にだけ執着する行政便宜主義的思考に起因する。

 地方自治体だけでなく政府部署も観光産業に対する根本的な省察なしに成果だけに執着するのは同じだ。文教体育観光部がこれまで発表した旅行ウィーク推進計画資料の1ページ目には「旅行客が増え」「地域内需に役に立った」という内容の“主要成果”が登場するが自画自賛で恥ずかしい限りだ。

 文在寅大統領も余暇の重要性を強調している。他の人々が出掛ければ自分も出掛けたいものだ。だから観光地は集中し混雑する。旅行シーズンや休暇でない時、旅行を思い立つままに出掛けられるようにしなければならない。オフシーズンに旅行できるようにする政策も深く悩んでみる必要がある。

 旅行客数だけを評価基準にして支援金を与える政策の代わりに、地域の特性を生かした観光事業を支援することの方が長期的には持続可能な観光政策であろう。政府の観光政策にも春が来るように願う。

(イ・クィジョン文化部次長、4月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。