G20を韓国の中堅国外交を試す好機に


韓国紙セゲイルボ

 韓米首脳会談に耳目が集中しており、その1週間後に独ハンブルグで開かれる主要20カ国(G20)首脳会議にはこれといった関心がないようだ。

 ハンブルグG20は欧州の盟主であるドイツが主催し、トランプ政府の米国第一主義を抑えて、自由主義国際秩序を守ろうとする強力な意思を見せている。メルケル独首相は議題紹介の冒頭で、「世界化以前に戻ることはできない」として、「経済・政治・社会的不確実性を正し、強力でバランスが取れた持続可能で包容的成長を共に成し遂げよう」と訴えた。

 韓国政府は貿易および投資の柔軟性、データ開放のためのデジタル化、グローバル保健、アフリカとのパートナーシップ、反腐敗などのような議題では自(おの)ずと相応の役割を担うことになる。こうした議題は通商国家や情報技術(IT)国家という韓国のアイデンティティーに符合し、競争力がある保健分野の国際化の機会として、韓国型海外援助を模索するのにも役に立つだろう。

 G20は韓国が中堅国外交を試験することができる良い舞台だ。先進7カ国(G7)と新興浮上国間の掛け橋の役割になり、欧州連合(EU)のような強力な地域協力体がない、中日間のあつれきが障害物のアジアグループの協力を牽引(けんいん)することもできる。

 北朝鮮の核とミサイル脅威で安保危機が高まった状況であるほど、強大国外交に陥没せずに、さらに積極的に多者舞台で役割を果たさなければならない。

(李淑鍾(イスクジョン)成均館大教授・行政学、6月25日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。