基礎科学研究への支援遠い未来見て投資を


韓国紙セゲイルボ

 100年前アインシュタインが主張した重力波の検出に成功したライコ科学協力団(LSC)の快挙は世紀の発見であり宇宙を研究する「重力波天文学」という新しい基礎科学の誕生を知らせる出発点と評価される。

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LIGOの巨大な観測装置内で働く技術者。L字型の装置の各辺でレーザー光線を往復させ、重力波が到達して生じる違いを検出する(LIGO研究所提供)

 今後の重力波研究は国家間の激しい競争の様相を呈すると展望されるが、重力波研究施設がない韓国も、韓国重力波研究協力団(KGWG)を中心に独自の検出器「ソログ」を作ろうと概念設計に着手する方針だと明言したが、実現の有無は未知数だ。

 政府の強固な支援を背景にした他国とは違い、韓国は国家研究・開発(R&D)予算を期待するのが難しい。KGWGがこれまで得た予算は2011~13年にたった3億ウォンだ。研究陣は私費で国際研究に参加しており、今後も事情が良くなる保障はない。

 基礎科学に国家的なR&D力量を集中する先進国に比べて、韓国政府は数年後、主力産業に成長する可能性がある未来食物発掘に研究力量を注ぎ込んでいるのが現実だ。

 国家R&Dを総括する未来創造科学部は今年の業務計画で200億ウォンをかけて月探査事業に着手すると明らかにした。宇宙産業の基礎である天文学分野では考えられない巨額の費用が投資される。

 輸出に頼る韓国の経済構造から、産業に国家R&D力量を集中するのは仕方ないとしても、投資優先順位として毎度、基礎科学が産業に後れを取っては、より遠い未来の成長動力を確保することはできない。

 昨年、政府のR&D予算の中で基礎研究が占める比率は38・1%に終わったが、先進国水準の50%まで引き上げなければならないというのが科学界の指摘だ。

(ファン・ケシク産業部次長、2月16日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。