韓米日同盟体制の強化を牽制する中国


韓国紙セゲイルボ

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日中韓外相会談を前に握手する(右から)王毅、尹炳世、岸田文雄の3氏=21日午後、ソウルのホテル(AFP=時事)

 中国の立場で現在の韓半島および北東アジアの地形はとても複雑だ。米国の「アジア回帰政策」と、それに伴う中国包囲あるいは韓米日同盟体制の強化は大きな脅威になっており、特に韓国の米国との一方的な同盟強化は少なくとも軍事・安保的な側面では中国の深い憂慮を生み出している。

 こうなれば、中国は北朝鮮の戦略的価値を再評価することになり、北朝鮮との協力強化の必要性を強調することになろう。昨年末から中国の対北朝鮮態度が変化している裏面にはこうした北東アジアの微妙な変化が位置していると言える。

 従って、韓国は中国の戦略的立場と共に、中朝関係の多様な側面を見るべきだ。事実、中朝関係は王毅外相の表現の通り、長い間固めた頑丈な基礎が存在している。また中国にとって北朝鮮は相変わらず戦略的に重要な地政学的位置を占めており、簡単に放棄できるものではない。韓国の動きによっては、北朝鮮の戦略的価値への評価はより一層強化される。

 過去、駐韓米国大使を歴任したドナルド・グレッグ氏は、世界で最もよく中国を扱うことができる国は韓国と北朝鮮だと言った。北朝鮮は今までグレッグ大使の評価通りだったと言える。

 であるならば、われわれは現在サード(THAAD=終末高高度防衛)ミサイル配置によってもたらされる結果が何かを慎重に見極めるべきだ。中国の動きを細心に注視しなければならない理由である。

(チョン・ヨンチョル西江大公共政策大学院教授・北朝鮮学、3月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。