急膨張する“チャイナパワー”、韓国市場での影響力が増大


韓国紙セゲイルボ

 韓国経済で“チャイナパワー”が急膨張している。人と金が雪崩のように入ってきて、韓国市場での影響力が急激に大きくなっている。急増する中国人観光客に化粧品、ホテル株価が高騰し、デパートは彼らに合わせて、秋夕(旧盆)の休業日程を変えるほどだ。

 中国資本流入にも加速がついた。「今年に入って急増の傾向だ」(イム・ソンワン大韓貿易振興公社=KOTRA=戦略地域誘致チーム長)という。8月中旬までの累計では今年の中華圏への韓国直接投資規模が史上初めて米国を追い抜いたことが分かった。

 31日、韓国銀行とKOTRAによれば、韓国に対する外国人投資中、中国の投資速度が最も速い。ここ3年間、年平均外国人投資増減率を見ると、欧州連合3・2%、米国6・3%、日本8・2%と1桁台なのに比して中国は22・7%だった。

 特に不動産、企業持分確保など直接投資の場合、速度がより一層速くなって、今年に入って、8月19日まで累積基準9億9500万㌦で、昨年同期比260%増だ。

 台湾、香港、シンガポール、マレーシアを合わせた中華圏全体で見れば、27億5000万㌦で、米国直接投資額27億㌦を超えた。年間投資額が米国を追い抜いたのは史上初めて。「中国資本はシンガポール、マレーシアなどを経由して、投資する場合が多い」とKOTRA関係者は話した。

 チャイナパワーは各種経済指標でも確認される。7月の観光収入は16億1600万㌦で史上最大値を記録したが、この間、訪韓した中国人旅行者は約69万人で全体外国人観光客135万5000人の51%を占めた。中国人が半分を超えたのは1984年、関連統計開始以来初めて。

 投資残額で昨年末、米国2744億㌦、中国339億㌦で、中国が米国の12%台にすぎないが、格差はますます縮まる見通しだ。

 不動産コンサルタント関係者は、「今年に入って、首都圏進出を狙う投資相談が入ってき始めた」とし、「韓国不動産市場に対する中国資本の全方向的投資が始まったと見ればよい」と話した。

 中国資本流入に対しては、“食い逃げ”等、否定的効果に対する憂慮もあるが、その場合は景気振興の肯定的効果が大きいことと期待される。

 中国はすでに韓国の最大輸出市場でもある。昨年、韓国経常収支黒字は799億㌦で、史上最大値を記録したが、この中の70%である556億㌦が中国との貿易だった。

(リュ・スニョル専任記者、ファン・ケシク記者、9月1日付)