強まる“獅子”中国の要求


韓国紙セゲイルボ

実態は力を土台にした「威嚇」

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3日、ソウルで、彭麗媛夫人(中央)を伴い歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席(左)と韓国の朴槿恵大統領(右)(EPA時事)

 「発展した中国が脅威になると感じて、中国を悪魔と形容したが、こういう考えは正しくない。中国は平和を守護し、協力を追求しながら、謙虚に見習う国になるだろう」

 習近平中国国家主席は訪韓2日目の4日、ソウル大学での講演で、中国の未来をこのように語った。韓国だけでなく世界のあちこちで起きている中国脅威論を意識した発言だった。

 それと共に韓中両国民が壬辰倭乱(文禄の役、1592~98年)で共に戦い、日本軍国主義との戦争で全力を尽くしたという修辞も使った。自国との共通歴史を強調しながら、侵略された同質性に訴える習主席の「魅力攻勢」は「韓国引き寄せ」の一環である。

 官営メディア環球時報は最近の社説で、政治的に米国に密着した日本と違い、韓国が米中間で緩衝地帯の役割をするという点を高く評価した。中国が米国との新型大国関係の次に重視する周辺国外交の一部分だが、韓日米三角安保同盟の攻略ポイントが韓国にあると把握するものだ。

 中国メディアは、習主席の訪韓結果として韓国との歴史共助の部分を高く評価した。中国が重視する日帝蛮行暴露戦は韓国民も十分に共感するものに他ならない。

 しかし、もう少し綿密に覗(のぞ)いて見れば、習主席訪韓の実態は「魅力攻勢」でなく、力を土台にした「威嚇攻勢」だった。米国を排除したアジア新安保機構創設、アジアインフラ投資銀行創立参加、ミサイル防御(MD)体系配置に対する憂慮を一方的に伝えているからだ。

 米国と日本も中国という「眠りから覚めた獅子」の咆哮(ほうこう)に緊張せざるを得ない。習主席が3月、パリで、「中国という目覚めた獅子は平和的で温和な文明の獅子だ」と強調したが、誰も信じなかった。

 慌てた米国は中国牽制(けんせい)に日本を引き込んだ。集団的自衛権行使容認がこれだ。このような日米の行動は、1905年7月29日、桂太郎首相と米ウィリアム・タフト陸軍長官間の「桂・タフト協定」を想起させる。これにより、米国は日本の朝鮮支配を承認した代価として、日本からフィリピン統治を認められた。

 日本は同年8月には英国と「第2次日英同盟」を結んだ。英国も日本の朝鮮支配を容認した。そのような日本が最近、北朝鮮と活発に接触し、韓半島介入野心を燃やしている。

 彼我を区分するのが容易でない韓半島周辺環境だ。韓米、韓中関係の間で均衡を実現する北東アジア均衡者の役割を期待してみる。

(シン・ドンジュ北京特派員、7月7日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。