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仏政府が抗議デモに新対策


一部地区でデモ禁止

 フランスのジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)運動の週末の政府への抗議運動は今月に入り、参加人数の減少、暴力行為の鎮静化が見られたが、16日のデモで再び暴徒化し、大きな被害が出た。これを受け、政府は新たなデモ対策に乗り出し、破壊行為を行う過激分子の参加が予想される地区でのデモ禁止措置を打ち出した。

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18日、パリのシャンゼリゼ通りで、抗議デモの際に損壊した売店(AFP時事)

 16日のパリでの抗議デモは、パリ中心部シャンゼリゼ通りでデモ参加者が暴徒化し、80軒を超える高級ブティックやレストランへの放火や破壊、強奪行為が行われ、甚大な被害をもたらした。警察当局の暴徒への対応が十分でなかったとの批判が高まり、パリの警視総監も更迭された。

 フィリップ首相は18日の記者会見で、無届けデモをパリのシャンゼリゼ通り、凱旋(がいせん)門広場周辺、同国西部ボルドーのペイ・ベルラン広場、南西部トゥールーズのキャピトル広場で禁止するとした。また、違法デモ参加の罰金を3倍以上引き上げるなど、新たな対策を発表した。

 政府の認識ではデモの際に違法行為を行うのは、紛れ込んだ過激な極右グループや極左グループで、デモの目的と関係ない破壊分子だ。そのため過激派対策と位置づけ、治安部隊の一部を破壊分子対応部隊に編成し、強制解散、顔をマスクで隠している参加者の一時身柄拘留が可能になる。ただ、黄色いベスト運動指導者や労働組合、左派系議員は強く反発している。

 なお、デモの際の強奪行為により、毎週土曜日に店舗の営業ができないことによる被害額は、1億7000万ユーロ(214億円余)と試算されている。

(パリ 安倍雅信)