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JICA 職場、学校で日本式導入


アフリカ開発特集

「カイゼン」や「特別活動」

 学校での日直や学級会、掃除など特別活動(特活)、職場での5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ))に始まる生産管理の改善活動はわが国でお馴染みだが、このような日本式の学校教育や「カイゼン」がアフリカで歓迎されている。

 「アフリカは植民地だったので欧米型の経営手法が入っていることが多い。それが実際合うかというと必ずしもそうではない」――。本来、ムラ社会で平等が重要なアフリカ。その中で、エチオピアがカイゼンを導入したのは、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)という、大量解雇を厭(いと)わない欧米型の抜本的業務改革に行き詰まったからだと国際協力機構(JICA)産業開発・公共政策部の鈴木桃子課長補佐は指摘した。

 JICAは、開発途上国に「カイゼン」を普及する技術プロジェクトをアフリカでは2006年から開始した。日本の製造業で培われたカイゼンの特徴は、①全社的な参加型②継続的な活動③小さな投資④汎用(はんよう)性―など。「お金がなければ頭を使え」というカイゼンは今あるものででき、教育の普及が遅れる現地でも「生産性を上げつつ一緒に人材育成できる良さがある」(鈴木氏)という。

 5Sで職場環境を良くし、従業員もカイゼン・サークルに参加して「QC七つの道具」(パレート図、チェックシート、グラフ、ヒストグラム、特性要因図、散布図、管理図)を用いて不良品率を分析し、対策を会社に提案する……。このようなカイゼンの実践は意識改革をもたらす。アフリカでは「カイゼンで生産性が30%~40%上がる」(鈴木氏)といい、特にエチオピアでは政府が「エチオピア・カイゼン機構」(EKI)を設立して普及を図っている。

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 エジプトは2017年から12の公立学校で特活を試験的に行い、昨年9月から35校で本格的に導入した。

 JICAカイロ事務所で教育支援を担当する山上千秋氏によると、同12校のアンケート結果から、「良い変化が起こった」との回答は、校長が100%、教員91%、保護者79%だった。

 このうち、教師が挙げた「良い変化」は、「児童が協力的になった」「児童の生活態度や規律が向上した」「児童が学級でより活発になった」「友だちの意見を尊重できるようになった」など。生徒は、小学1年生の9割以上が「学校が前より良くなった」「友だちと協力できるようになった」「友だちの意見を聞けるようになった」と回答。中学1年生の回答は15~20%が否定的だが、6割は肯定的だという。

 校長は、児童の清潔意識の向上と時間厳守、早起き、自主的に学校行事を考えることを評価し、「児童の態度、行動面に大いに変化が見られた」と総括した。

(カイロ・鈴木眞吉/窪田伸雄)