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森林伐採がゲリラ豪雨の原因に インドネシア・バリ島で植林


異常気象克服に向け

アンププの木など4000本

 熱帯雨林の破壊は大気中の二酸化炭素(CO2)を増やすだけでなく水蒸気を減らすので、水循環を不規則にし、異常気象の原因となる。それに歯止めをかけるべく、インドネシアで定期的に植林を行っている「NPO法人アジア植林友好協会」(宮崎林司理事長)の活動に参加し、昨年12月4日から8日まで、同バリ島に行ってきた。(小林久人)

バリ島バトゥール山の麓で行った植林

バリ島バトゥール山の麓で行った植林

 インドネシアは雨期に入っているのに、一滴も雨が降らない日々が続いていたという。ところが、今回の植林活動中、突然スコールに遭った。

 激しい降雨の中、参加していた現地の日本語学校の生徒たちは、「バリ島の神様が(植林を)大歓迎している」と感じたという。天の慈雨、何たる奇跡! 彼らはスコールの中でも、作業の手を休めなかった。

 植林祭の参加者は、現地から日本語学校の生徒25人と、「バリの森を守る会」のメンバーなど合わせて40団体約500人。日本からはボランティア18人が足を運んだ。

 現場はバリ島バトゥール山(1717㍍)の麓。バトゥール山はバリ島の東北部、周囲約10㌔㍍のカルデラ湖を有する。1963年に中腹から黒い溶岩流が流出し、その黒い跡は現在もくっきり残っており、その部分には樹木がほとんど育っていない。

日本から参加の稲葉研二さんと現地のボランテァの女性がペアで植林

日本から参加の稲葉研二さんと現地のボランテァの女性がペアで植林

 当地に適したアンププ、センダンなど計4000本の植林が今回の目標。アンププはユーカリの類で活着率がいい。

 深さ約50㌢の穴掘りから始まり、苗木を運搬し、一つ一つの穴に植え、土をかぶせ、添え木を立てる。これまで木1本1本に2㍑のペットボトルを逆さまに置いて、水が行くようにしていた。しかしこの作業は手間取り、一定の本数を超えると、とてもやっていられない。そこで、日本から生分解のプラスチック鉢を送ってもらって使ってみると、苗木の根っこがきちっとカバーされ、活着率もよくなった。今回、その鉢を使った植林も行われた。

 広大な敷地に一定の間隔を置いて植えるので、その移動だけでも大変で、時間がかかる。日本から来たボランティアの女性は、「平らな土地ではないので、予想したより大変でした。でも思ったより多くの人が参加していたので楽しかった。今回は父に誘われて来ました」と話していた。

 5日には、野外キャンプに来ていたジュニアハイスクールの小学生100人がボランティアで加わった。みなで、草の種が入っている「粘土団子」1万個を作った。現地の人たちは陽気で、わいわいがやがや元気がいい。粘土団子は初の試みだ。

日本からの参加者たち。中列の右端が小林久人リポーター

日本からの参加者たち。中列の右端が小林久人リポーター

 これまで植林のために、土に穴を掘り、土を入れ替えて肥料を入れてきたので、土質が変わってきた。成育も早くなったが、同時に、草だけでなく飛んできた松の種が芽を出すようになってきた。それで土質を改めて変えるのが良いと思われ、粘土団子が蒔かれることになったのだ。

 宮崎林司さんが当地の州政府から頼まれたのは2000㌶ほどで、まだまだ先は長い。昨年12月までで8万6178本の植林ができたが、その面積は約125㌶で東京ドーム約27個分に当たる。

 9年前に植林を始めた時、この地は真っ黒の大地で、一本の木もなかった。「インドネシアの問題だからインドネシアがやればいいじゃないかというのは一つの理屈だが、当地では手助けを切に必要としていた」と宮崎さん。

 6日、同地で行われた植林祭式典には、野村昇・在デンバサール日本総領事も参加し、記念の植樹をした。バリ島では、12月11日を「植林の日」に指定し、知事を筆頭に、島を挙げて植林するまでになっている。役人たちも、この地が、荒地でもいちばん厳しいところだと分かっているから、着実に植林の数が増えているのを見て、とてもびっくりしている。