世界日報 Web版

玉城氏当選、国は辺野古移設を進めよ


 沖縄県知事選挙で共産、社民両党など「オール沖縄」が推す前衆院議員の玉城デニー氏が当選した。玉城氏は故翁長雄志知事の後継として米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し、国との対決姿勢を露(あら)わにしていた。

 だが、知事選は辺野古移設の是非をめぐるワンイシューの選択ではない。玉城氏が知事に就任しても辺野古移設工事は粛々と進めていくべきだ。

厳しさ増す安保環境

 普天間返還の日米合意から20年以上も経(た)つが、辺野古移設の意義は決して減じていない。このことを改めて確認しておきたい。それは市街地にあることから騒音や墜落事故の危険性が指摘された普天間飛行場を返還し、同時に安全保障を確固たるものにするためだ。

 わが国を取り巻く安保環境は厳しさを増している。北朝鮮は米朝会談後も非核化への道筋を示さず、事態は楽観できない。中国は「軍事力の急速な近代化を進めており、わが国周辺を含む地域及び国際社会の安全保障上の強い懸念」(2018年版防衛白書)があり、空母や次世代戦闘機、ミサイル戦力の配備を加速させ、沖縄県・尖閣諸島周辺の動きも活発化させている。

 こうした脅威に備える「抑止力」を維持してこそ平和は守れる。日米同盟を強固にしなければならない。辺野古移設はそのために不可欠だ。知事選で安保の在り方が論じられなかったのは遺憾だ。

 移設によって米軍基地の再編が進み、沖縄の負担は大きく減じる。普天間返還後の跡地には一大再開発ビジョンが描かれており、北部地域は辺野古移設を契機に地域経済の活性化を期す。辺野古移設には沖縄の未来がかかっている。

 ところが、移設工事は沖縄県が8月末に埋め立て承認を撤回したことで中断している。移設工事の合法性については決着済みのはずだ。翁長氏は「裁判闘争」を繰り返し、15年10月には埋め立て承認を取り消したが、国は代執行訴訟を起こし、16年12月に最高裁は知事の承認取り消しを違法と断じている。

 今回、県は埋め立て承認後に「留意事項」(承認の条件)に違反があるとし、それを根拠に承認を撤回した。しかし、その根拠に合理性があるとは到底思えない。

 第1に、辺野古岬の東側の大浦湾に活断層や軟弱地盤が存在するとするが、防衛省沖縄防衛局が現在埋め立て準備を進めているのは辺野古側だ。仮に活断層や軟弱地盤があっても工法の変更などで対応できる。埋め立て工事ではよくある手続きで、撤回は権限乱用だ。

 第2に、国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)の校舎などが米国防総省の決めた「高さ制限」に抵触するとするが、離着陸で集落上空を通過しないように辺野古沖合にV字型の滑走路を造ることになったはずだ。「高さ制限」はいわれなき批判だ。

撤回の取り消し訴訟を

 国は速やかに必要な法的措置を取り、撤回処分の取り消し訴訟を起こすべきだ。

 移設工事に法的決着をつけ、普天間飛行場の返還へ全力を挙げてほしい。