世界日報 Web版

国民民主代表選、政権獲得の志を持つ顔を選べ


 国民民主党の代表選挙が告示され、立候補を届け出た津村啓介元内閣府政務官と玉木雄一郎共同代表が来月4日の投票日に向けて争う。民進党と希望の党による協議を経て、5月に国民民主党を発足させたが、支持率は全く振るわない。それでも政権獲得の志を失わないリーダーが党を率いていくべきだ。

支持率は0~1%台

 「対決より解決」を目指す穏健中道派の現実路線を打ち出した同党は、結党まで特異な道を歩んでおり、各世論調査の支持率は0~1%台というありさまだ。告示日にも除名者が出て衆院議員を1人減らしたが、国民民主党には38人の衆院議員、23人の参院議員が存在し、与党の公明党よりも多い国会第3の勢力である。

 有権者に認められないのは、昨秋の衆院選で民進党が党公認を出さず希望の党公認での出馬を機関決定して以来、分かりにくい離合集散を経たためだ。主体性のない政党乗り換えをした揚げ句に、乗り換え先の党からも乗り換えた。これでは一体どこで民意を得た議席なのか分からなくなる。その意味では国民民主党はまだ始まっていない。まずは党員・サポーター7万6596人の民意を経た党代表の選出からである。

 また、同党だけでなく立憲民主党、自由党、希望の党など旧民主党から派生した野党勢力において深刻なのは、自民党・公明党に選挙で負けて政権を取り戻されたことではない。仲間内の抗争が険悪を極めて近親憎悪とも言える分裂をし、再び政権を取り返す可能性を自ら砕いたことだ。このため国政の緊張感が緩んだのだ。

 さらに、今日に至る野党勢力の最大の欠点は、支持率低下など逆境に弱いことだ。民主党時代から、その都度お家騒動が起こり、任期途中の党代表を引きずり降ろしたり、再編を仕掛けたり、党名を変えたり、あるいは分裂して新党を旗揚げしたりなどを繰り返してきた。

 その過程の手続きで、国民民主党は民進党を継承した党であり、1996年結党した民主党以来の流れを汲(く)んでいる。忍耐強くピンチをチャンスに変えるまで愚直に結党精神を貫いて政治運動を展開する指導者が必要だ。こうした人物を選出するための代表選にすべきだ。来年の統一地方選、参院選に向け、責任野党の存在感を示し得る政策立案など有意義な論戦に期待したい。

 代表選に出馬した両氏は、民主党時代に政権獲得やその後の挫折など政治の酸いも甘いも体験している。10年前の民主党は「政権交代」のスローガンを掲げて支持を広げたが、より洗練された形で政権を展望する道のりを示し得るかが問われよう。

 共産党への依存に陥るな

 残念なことに、現在の野党は政権を展望できないほど小党分裂した。ここで戒めるべきは、議席維持の保身のために他党依存の選挙協力に陥ることだ。

 綱領で革命路線を放棄していない共産党が働き掛ける野党共闘に安易に乗れば、万年野党の指定席を得ることができても、戦後長く社会党・共産党の野党がそうであったように、政権はとても望めなくなる。