安倍晋三首相の所信表明演説について、翌18日…


 安倍晋三首相の所信表明演説について、翌18日の各紙社説(主張)を読み比べると面白い。それぞれに色やゆがみが出ているからだ。ゆがみの際立つのは言うまでもなく朝日である。

 真っ当な批判とはやや違う、依然として倒閣のプロパガンダ紙のような主張を展開する。他紙は主に首相が演説した「北朝鮮への対応」と「少子高齢化の克服」の二本柱について論じた。

 ところが、朝日は未(いま)だに「モリ・カケ問題」第一。「森友・加計問題のみならず、北朝鮮情勢や少子高齢化対策など、与野党が論じ合うべきテーマは数多い」などと、短い社説の中で「森友・加計――」を3回も繰り返している。

 ちなみに読売、産経、小紙には「モリ・カケ」の用語すら見当たらない。北朝鮮危機の国難に直面する中、国会は不毛の疑惑追及に明け暮れたが、首相と加計学園理事長が親しい仲と疑惑を煽(あお)るだけで、首相の指示などの朝日期待の問題事実など何も出てこなかった。

 それでも朝日は首相に「国民に約束した『丁寧な説明』を今度こそ果た」せと迫る。こうなると、根拠の乏しい「モリ・カケ」追及を野党に嗾(けしか)けているのも同然で<首相のクビをとるのが社の方針>との噂(うわさ)が出るのも然(しか)り。

 議論は水掛け論に終わるとしても「加計問題で政権に落ち度がないのであれば、そう説明すればよい」(日経)だけの話である。忍耐強く、謙虚に真摯(しんし)な説明を繰り返していけば、非はどちらにあるのか明らかになる。