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日米首脳会談、強固な同盟を北への圧力に


 安倍晋三首相は初来日したトランプ米大統領との首脳会談を行い、緊迫する北朝鮮問題などの懸案について突っ込んだ話し合いを行った。トランプ政権のアジア太平洋地域への積極的関与を担保するとともに、その中心となる「日米同盟の揺るぎない絆」(安倍首相)を世界に示すことができた。

蜜月ぶりをアピール

 両首脳が行ったゴルフは「シンゾー・ドナルド」の蜜月ぶりをアピールするものだった。安倍首相は「同盟をより一層偉大に」との言葉を刺繍(ししゅう)したゴルフキャップを大統領に贈った。

 対米外交においては、かつての中曽根康弘首相とレーガン大統領の「ロン・ヤス」関係に見るように、大統領との個人的な関係が重要だ。トランプ政権の性格から考えても、安倍首相が大統領との信頼関係をさらに深め、それを内外に示すことができた意味は大きい。

 首脳会談では、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、軍事的な選択肢も含め圧力を最大限まで高めることで一致した。首相は「今後取るべき方策について完全に見解の一致を見た」とも述べている。

 一方のトランプ大統領は「(北朝鮮に対する)戦略的忍耐の時代は終わった」と述べるとともに「日本国民と団結し、北朝鮮の脅威に立ち向かっていく」と語った。今後、中国、ロシアを含め関係国への働き掛けを行っていくとしている。

 北朝鮮に対して日米が断固たる姿勢を示すことが、中国やロシアをどれだけ動かすかは未知数だ。また、北朝鮮が簡単に核放棄へと政策を転換するとは思われない。日米はさまざまなケースを想定し、さらに緊密な連携、意思の疎通を行っていく必要がある。

 今回、トランプ大統領は北朝鮮による拉致被害者家族とも面会した。大統領は「金正恩(朝鮮労働党)委員長がもし(拉致被害者を)帰してくれるということになったら、特別なことの始まりになる」と述べ、拉致問題が核・ミサイル開発を含む北朝鮮問題解決の糸口となることを示唆した。

 今回の会談では、安倍首相が中国の南シナ海への進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向けた協力を提案し、両首脳はその推進で一致した。自由の価値を掲げ、同地域への米国の戦略的な関与強化を取り付けたことは評価されていいだろう。

 会談では「米国第一」を掲げる大統領から「慢性的な貿易不均衡の是正」が求められた。両国の利益のために今後、実務的な交渉を粘り強く進めていく必要がある。そこで留意すべきは、貿易問題で関係が難しくなり、安保問題に悪影響が及ばないよう対処することだ。

ディール超えた関係を

 大統領は、ミサイル防衛などで今後日本が米国から防衛装備品を購入することを求め、首相もそれに応じる方針を表明している。ビジネスマン出身の大統領らしく抜け目のないところを示した。ただ、日米同盟はディール(取引)を超えたものに深化しつつある。今回の大統領訪日をそのような関係構築への大きな一歩とすべきである。