ノーベル物理学賞の梶田さん「すごくうれしい」


米国のチームが重力波を観測、KAGRA観測は17度以降

ノーベル物理学賞の梶田さん「すごくうれしい」

記者会見する東京大宇宙線研究所長の梶田隆章さん=12日午前、千葉県柏市

ノーベル物理学賞の梶田さん「すごくうれしい」

東京大宇宙線研究所などが建設中の重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」中心部付近=2015年11月、岐阜県・神岡鉱山地下

 米国などの研究チームが重力波を観測したと発表したことを受け、岐阜県・神岡鉱山地下の観測装置「KAGRA(かぐら)」で観測を目指してきた日本のチームが12日、千葉県柏市の東京大宇宙線研究所で記者会見した。素粒子ニュートリノの研究でノーベル物理学賞を受賞し、チームの責任者を務める梶田隆章所長(56)は「われわれにとってもエキサイティングだ」と語り、興奮を隠さなかった。

 梶田さんは「重力波を使った新しい天文学ができることが分かった。ものすごくうれしく思っている」と喜び、「エキサイティングな時代に入った」と語った。今回の発見の意義について「ブラックホールを観測する手段を得たので、どんどん分かっていく」と説明した。

 かぐらは3月から試験運転を行う予定で、重力波の観測が期待できるのは2017年度以降の見通し。

 初観測は米チームに先を越されたが、梶田さんは「日本の研究グループとしても、最大限頑張ってきた」と強調。「悔しさよりも、重力波の観測頻度が高そうだと分かり、天文学的にいろいろなことができると思うので良かった」と前向きに捉えていた。