世界日報 Web版

北方領土の日、4島返還への決意を新たに


 39回目の「北方領土の日」を迎えた。

 わが国固有の領土である択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島は、旧ソ連に不法占拠され、今なおそれが続いている。4島返還実現に向けた決意を新たにしたい。

 強硬姿勢示すロシア

 安倍晋三首相は、昨年11月の日露首脳会談で「1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した」として、交渉の前進を目指している。

 共同宣言は平和条約締結後の歯舞、色丹2島引き渡しを明記している。首相は2島返還と残る2島での共同経済活動を組み合わせた「2島プラスアルファ」での決着を模索しているとみられている。

 この宣言は、国会と旧ソ連の議会で批准されており、ソ連を継承したロシアにも法的拘束力が及ぶことはプーチン大統領も認めている。「2島プラスアルファ」はロシアとの一致点を見いだすための方針だろう。

 だが、ここにきてロシアは北方領土をめぐって強硬な姿勢を示している。先月の日露外相会談でロシアのラブロフ外相は、北方四島は「第2次大戦の遺産」と述べ、大戦の結果、合法的に得たとする従来の立場を改めて表明した。

 ソ連は1945年8月9日、当時有効だった日ソ中立条約を破って対日参戦し、日本のポツダム宣言受諾後も攻撃を続け、8月28日から9月5日までの間に北方四島を不法占拠した。日本が降伏文書に署名した9月2日以降も攻撃を止めなかった。ラブロフ氏の「合法的」という主張は到底認められるものではない。連合国の領土不拡大の原則にも反している。

 ラブロフ氏は「主権の問題は議論しない」とも述べ、仮に2島を引き渡しても、日本には施政権などしか与えず、主権は譲らないとの立場を暗に示した。北方領土という日本の呼称にさえ異論を唱える始末で、これでは2島さえも返ってこないのではないか。

 そもそも「2島プラスアルファ」の方針を掲げて交渉を進めた場合、国後、択捉両島の返還はどうなるのかという根本的な疑問が残る。北方四島は日本固有の領土であり、ロシアの不法占拠を一日も早く終わらせなければならないはずだ。

 首相は国会答弁で、北方領土について「わが国が主権を有する島々」と述べ、固有の領土という表現を使わなかった。ロシアを刺激することを避けているのだろうが、これでは足元を見られるだけだ。

 ロシアは日本の隣国であり、北方領土問題を含む平和条約締結交渉を前進させたいという首相の気持ちは理解できる。しかし2島返還のみで妥協すれば、その後のロシアとの関係にも悪影響を与えかねない。それだけでなく、沖縄県・尖閣諸島の領有権を一方的に主張する中国に誤ったメッセージを送ることにもなろう。4島返還の原則を曲げるべきではない。

 不法占拠を糾弾せよ

 首相はきょうの北方領土返還要求全国大会で、ロシアの不法占拠を糾弾し、4島返還への強い決意を示すべきだ。