W杯日本代表、若手育成でさらなる飛躍を


 サッカーの祭典ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表はベルギーに敗れて念願だったベスト8に届かずに終わった。ただ、大方の予想を覆して予選リーグを突破し、ベスト16に残ったことは胸を張れる結果だ。まずは選手たちの健闘をたたえたい。

高かった8強の壁

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位のベルギー相手に、後半立て続けに2点を奪った時は日本中が期待を抱いた。ロスタイムに鮮やかなカウンターから逆転されたが、西野朗監督が帰国後の会見で「世界につながる1ページ、半ページを示せた」と胸を張ったように、強豪国相手に勇敢に立ち向かう日本の姿は、世界中を驚かせた。

 大会前の期待値は高くなかった。4月にハリルホジッチ氏が監督を突然解任された影響もあり、代表チームを覆う雰囲気も良いとは言えないものだった。

 その中でチームの状況を改善させ、2002年日韓大会、10年南アフリカ大会に続いてベスト16まで勝ち上がった意義は大きい。だが、またしてもベスト8に進出できなかった。

 ハリルホジッチ氏は1対1の「デュエル(決闘)」に勝つことを訴えていた。西野氏は前監督の考えを尊重しながらも、パスワークや俊敏性、組織力といった日本が強みとするサッカーで臨んだ。選手とのコミュニケーションも重視し、そうした配慮が大会中にチームを結束させる結果につながった。

 日本チームはピッチ外でも手本となるべき態度を示した。ベルギー戦後、使用したロッカールームをきれいに掃除し、ロシア語で「ありがとう」と書いたメモと折り鶴を置いて、スタジアムを後にしたのだ。

 このロッカールームを撮った写真がインターネット交流サイト(SNS)などに出回り、世界中で称賛された。キャプテンの長谷部誠選手はチームスタッフが行ったことだとしたが、関係者を含め、全員が日本を代表している。敗退が決まった後でもロッカールームを掃除して帰る姿は、スポーツマンシップの模範として他国にいい影響を与えるだろう。

 一方で、ポーランド戦は論議を呼んだ。負けているにもかかわらず、他会場の結果がそのままで終わった場合に勝ち抜けが決定するため、自陣でパス回しを続けて批判を集めた。全てはその先に進むための行動だったと理解できるが、教育という観点から、どういう選択がいいのか議論することも必要だろう。

迫る世代交代の時期

 今大会のメンバー23人の平均年齢は、W杯に初出場した1998年以降の大会で一番高い28・3歳だった。就任してから約2カ月でチームを作り上げた西野氏の手腕は見事だったが、若手にチャンスを与えられなかったのも事実だ。

 大会後に代表引退を示唆している選手が多くいることから、今後の日本代表は世代交代の時期に入っていくとみられる。

 次回の22年カタール大会で初のベスト8入りするためには、若手の台頭が欠かせない。日本の良さである組織力を磨くとともに、若手選手の育成を図り、さらなる飛躍を目指したい。