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新潟女児殺害、「子供を守る」施策を強化せよ


 新潟市の小学2年の女児が下校時に連れ去られ殺害された事件は、子供たちをどう守るか犯罪防止の課題を改めて突き付けている。登下校時の安全対策は言うまでもないが、加害者を生み出さない取り組みも忘れてはならない。被害、加害の両面から「子供を守る」施策を強化していくべきだ。

近隣の23歳男を逮捕

 今事件では女児の近隣に住む23歳の男が逮捕された。下校途中の女児を連れ去り殺害して、遺体を線路上に放置し電車に轢かせて“証拠隠滅”を図る残忍極まりない犯行だ。

 子供が狙われる事件は全国で年間100件前後発生している。2014年には神戸市で、小1女児が下校後に遊びに出掛け、47歳の男の自宅に誘い込まれて殺害された。このような痛ましい事件を二度と許してはならない。

 第1に、子供を守る環境整備に向け地域社会の防犯策を見直すべきだ。今回の事件で被害女児は下校時に狙われた。近辺では女児が腕をつかまれたり、追い掛けられたりする不審者情報が以前からあったが、防犯に生かせなかった。通学路の安全点検を徹底し、不審者情報への対応の仕方を見直す必要がある。

 学校や地域での防犯教育も欠かせない。地域によってはスクールバスの活用も考慮すべきだ。政府は近く再発防止策をまとめ、学校や自治体への支援を強化するとしている。防止策に万全を期すのは当然だ。

 犯人逮捕には防犯カメラや走行する車のドライブレコーダーの映像が役立った。こうした情報を犯人割り出しだけでなく、犯行防止に活用する研究にも取り組むべきだ。これには「監視社会」を生むとの批判が一部にあるが、個人情報保護に配慮すれば問題は生じないはずだ。

 第2に、犯罪者を生み出さないための取り組みを忘れてはならない。今事件では容疑者の犯行に至る動機や経路がまだ解明されていない。容疑者は5人家族で、電気工事の仕事に就き、日頃の生活に特に変わったところはなかったという。それがなぜ猟奇殺人に至ったのか。被害者家族だけでなく、加害者関係者にとっても衝撃は大きい。

 猟奇事犯としては27歳の男による神奈川県座間市の連続殺人事件が記憶に新しい。男は両親の離婚が引き金となって性への異常執着を見せるようになったとされるが、動機の解明はいまだ十分ではない。

 1988年から89年にかけて幼女4人を殺害した当時26歳の男は、幼児性愛者がビデオや雑誌の「有害情報」を通じて幻想と現実の垣根を越えて凶悪犯罪に走ったとされた。今事件の動機はどうか、捜査当局は解明に全力を挙げてもらいたい。

健全育成法制定を視野に

 家族や人間関係に起因するのであれば、そうした家族を支援する仕組みを考えねばならない。家庭教育支援条例はその一助となるのではないか。「有害情報」はインターネットやスマートフォンなどの普及によって悪化の一途を辿(たど)っている。青少年を守る仕組み、例えば青少年健全育成法の制定を視野に入れるべきだ。防犯だけでなく、幅広く子供を守る施策を考えたい。