日米2プラス2、強固な同盟をアピールせよ


 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)がきょう、ワシントンで開催される。

 日本側は河野太郎外相と小野寺五典防衛相、米側はティラーソン国務長官とマティス国防長官が出席する。

 北朝鮮への対応を協議

 日米2プラス2の開催は2015年4月以来。トランプ米政権発足以降、初めてとなる。今回は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応が主要議題となる。日本の弾道ミサイル防衛(BMD)態勢の拡充などについて意見が交わされる。

 日本は地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」を米国から導入する方向だ。日米双方は日本のBMDの能力向上に向けた協力強化を明確に表明する必要がある。

 北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を2度にわたって発射。米本土を射程に収めるICBMの開発を進めている。米本土攻撃能力の獲得を急ぐのは、米国を直接交渉の場に引き出して体制保証を取り付ける狙いがあるからだろう。

 このほか、日本上空を越えて米領グアム島周辺に向け弾道ミサイルを発射する計画も公表した。日本ではミサイルの落下に備え、島根、広島、愛媛、高知の4県に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された。米朝間の緊張は極度に高まっている。

 米政府は既に、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な水準にまで核弾頭を小型化することに成功したと判断している。北朝鮮が保有する核爆弾も従来の推定よりも多い最大60発と見積もった。北朝鮮による核開発は、予想を上回るペースで進んでいるとみていい。

 一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はグアム島周辺への発射決定まで「米国の行動をもう少し見守る」と語った。北朝鮮は、21日からの米韓合同軍事演習を中止すれば、核・ミサイル開発を一時的に停止する意向を示唆してきた。

 だが核・ミサイル開発は国連安全保障理事会決議に違反するものであり、この「取引」に米国が応じることはあるまい。無条件で開発を停止しない限り、北朝鮮への圧力は強まるばかりだろう。

 安倍晋三首相はトランプ大統領と電話会談を行い、グアム島周辺に向けた弾道ミサイル発射の阻止へ緊密に連携していくことで一致。安保理で採択された対北制裁決議の厳格な履行も確認した。2プラス2に先立って、日米両首脳が北朝鮮への圧力強化で合意した意義は大きい。

 2プラス2で、日米が結束して北朝鮮の脅威に万全の対応策を取り、強固な同盟をアピールすることは、米国の他の同盟国の安心や信頼にもつながろう。米国は核兵器による「核の傘」で日本を守る「拡大抑止」を提供し続ける方針も再確認する必要がある。

 自衛隊の役割拡大も

 小野寺氏は国会答弁で、安全保障関連法に基づき集団的自衛権を行使して、グアムに向かう北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する可能性に言及した。日米同盟強化には、自衛隊の役割拡大も求められる。