上海協力機構、中露の関係強化に警戒を


 中国、ロシアと中央アジア4カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン)で構成する上海協力機構(SCO)の首脳会議がタジキスタンの首都ドゥシャンベで開かれ、「ドゥシャンベ宣言」と共同声明を採択して閉幕した。

 中露両国が関係を強化し、親日国のインドやモンゴルを取り込んで先進7カ国(G7)などへの対立軸を構築しようとする動きに警戒が必要だ。

 主要議題は加盟国拡大

 会議にはオブザーバーのインド、パキスタン、モンゴル、アフガニスタン、イランの5カ国代表、対話パートナーのトルコ、ベラルーシ、スリランカの3カ国代表も参加した。ウクライナ危機をめぐる西側からの相次ぐ制裁攻勢に苦慮し、孤立感を深めているロシアのプーチン大統領は、このSCO首脳会議を、主に中国と協力しながら、米欧主導の国際秩序への対抗を図る舞台とする狙いを秘めて参加したようだ。

 今回の主要議題は、加盟国の拡大であった。来年の議長となるプーチン大統領はこの問題に積極的な姿勢を見せ、オブザーバーも加えた拡大会合では「加盟国拡大は我々の組織を強化し、国際的な権威を高めることになる」と強調した。

 来年はインド、パキスタンおよびモンゴルの加盟が有力視されている。実現すれば、2001年のウズベキスタン加盟以来14年ぶりの拡大となる。

 巨大な人口を抱えるインドの場合、エネルギー確保が大きな課題で、SCO加盟により中央アジアの豊富な石油、天然ガス資源開発に加わる機会を増やしたい考えと言われる。会議にオブザーバー参加したスワラジ外相はこの機会に加盟を申請したことを明らかにした。

 来年のSCO首脳会議は、ロシア中西部のウラル山脈の麓バシコルトスタン共和国の首都ウファで開催される予定だ。ウクライナ問題をきっかけに主要8カ国(G8)から追い出された形のロシアにとっては、欧米以外のユーラシア諸国との結束と影響力を国際的に誇示する絶好の機会となるはずである。

 また、今回の首脳会議に先立って、プーチン大統領、中国の習近平国家主席、モンゴルのエルベグドルジ大統領の3カ国首脳会談が初めて開かれた。席上、プーチン大統領は「第2次世界大戦で中国とソ連がドイツのファシズムと日本の軍国主義の攻撃を受けた際に、モンゴルはソ連を積極的に援護した」と述べ、大戦終結70年を迎える来年のモスクワでの対独戦勝記念行事に、両国首脳を招待する意向を明らかにした。

 日米同盟強化で対抗を

 中露両国は歴史問題において日本を牽制(けんせい)することで共闘する構えである。両国首脳は5月の会談でも、日本を念頭に「歴史の改竄(かいざん)と戦後秩序の破壊に断固反対する」と表明した。

 中国としてはロシアの動きに連動して対日圧力を強める狙いがあろう。だが、沖縄県・尖閣諸島の領有権を不当に主張して挑発行為を続ける中国の態度を見れば、どちらが戦後秩序を乱そうとしているかは明白だ。日米同盟強化で中国に対抗していくべきである。

(9月19日付社説)