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安室さんラストライブで神経戦


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 日本を代表する歌姫、安室奈美恵さんが9月16日に引退するのを前に、ラストライブを15日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行う。会場の収容席数は5000席。チケットは超プレミアムとなっており、宿泊施設は軒並み満室状態でキャンセル待ちだ。県内外が安室フィーバーに沸いているが、時期が時期だけに沖縄の政治家は心中、穏やかではない。

 安室さんは今年5月、存命中の翁長雄志知事から県民栄誉賞を贈られた。翁長氏が急死したことを受け、すぐにコメントを発表した。

 ――沖縄の事を考え、沖縄のために尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております。

 ライブ中はほとんどトークがなく、彼女の政治的な発言は一切聞いたことがなかっただけに、「翁長知事の遺志」という表現が意外だったと話す県民は多い。

 翁長氏を支えてきた革新勢力は、15日のライブで、安室さんの口から何らかのメッセージが飛び出すことを期待する。また、ライブで共演するモンゴル800は反戦平和思想を持つことで知られている。どこかのタイミングで政治的メッセージを発信する可能性がある。

 ライブが行われるのは知事選に出馬表明している佐喜真淳前市長のお膝元だ。これをピンチと捉えるか、はたまた、チャンスにするか、神経戦が繰り広げられている。

 保守の重鎮は、安室さんラストライブについて「とにかく、平穏に終わることを望んでいる」と気が気でない様子だ。「弔い合戦」が安室さんのライブにまで波及することがあれば、保守陣営は致命的なダメージを負いかねない。

(T)