陸自那覇、大災害に備えて訓練


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 西日本で大規模災害が発生したことを受け、陸上自衛隊第15旅団(沖縄県那覇市)の第15後方支援隊は18日、広島県呉市三高町と安芸郡坂町で給水支援を開始した。大規模災害で常に最前線で活躍しているのが自衛隊だ。

 同旅団のうち、15後方支援隊を除く隊員らによる大規模な災害対処訓練が「美ら島レスキュー」との共催で18日から2日間の日程で実施された。地震や津波などの大規模な災害に備える目的で、県や自衛隊、警察、消防、県内各地の自治体など合わせて約90の機関から約800人が参加した。

 訓練は、沖縄本島の近海を震源とする最大震度6強を観測する地震と、高さ7㍍に達する津波を想定して始まった。発生後の情報共有、初動対応や緊急患者の応急処置、復旧作業などの訓練を行った。その中で、ヘリコプターで救助したり、けが人を手当てする救護訓練の様子が報道陣に公開された。酷暑の中、隊員らは実際の救出活動さながらの緊張感で、大量の汗をかきながら救出作業をシミュレーションしていた。

 原田智聡同旅団長は、大規模災害が沖縄で発生した場合、少なくとも発災後3日間は県内の(人や物資などの)アセットだけで最大限のことをしなければならない」と指摘。陸海空自衛隊、米軍を含めた関係機関が役割分担を果たすことの重要性を訴えた。

 昨年までは陸自駐屯地のみの開催だったが、今年は初めて県庁で対策本部を設置し、図上訓練を行った。モニターの電源が付かないハプニングもあった。これについて、池田竹州県知事公室長は「やってみて分かること」と指摘。幹部自衛官も「毎年の訓練の積み重ねで、改善された部分は多い」と手応えを感じている様子だった。

(T)