安室さん受賞に県が安堵


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 9月の引退を表明した歌手の安室奈美恵さんが23日、沖縄県民栄誉賞を受賞し、沖縄県庁で翁長雄志知事から表彰状を受け取った。

 翁長氏は授賞理由をこう説明した。

 「15歳でメジャーデビューして以来、数々のミリオンセールスを記録しており、平成の歌姫として、日本のみならず世界の多くの人々を魅了し続けております。(中略)現在、多数輩出されている沖縄出身の歌手やタレントの草分け的存在となっておられます」

 安室さんは1977年、那覇市生まれ。中学卒業までを沖縄で過ごした。デビューから25年にわたる活躍は県民に大きな夢と感動を与えるものとして高く評価された。

 過去5度の県民栄誉賞は、受賞者の決定や授賞式の日時を事前に発表し、授賞式は県庁内のホールなどで一般公開してきた。ところが、今回は県当局が「事前に報道されると混乱を生じて、安全性が保たれない状況になる恐れがある」として非公開となった。

 安室さんが昨年9月に引退を表明した際、翁長氏は県民栄誉賞授与を検討しており、アジアツアーを終えたばかりのタイミングでの授賞式になった。12月に任期満了を迎える同氏としては、ボクシング・フライ級の比嘉大吾選手と、所属する白井・具志堅スポーツジムの具志堅用高会長への県民栄誉賞授与を決めていた。ところが、4月15日のタイトルマッチの前日、計量で制限体重をクリアできずに王座を剥奪された。これを受け、2人は受賞を辞退、県は授賞式の開催を見送った。

 それだけに、今回の安室さんの受賞は、「久しぶりに明るい話題を提供してくれた」と、県幹部はほっとした様子だった。

(T)