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拉致問題啓発劇、宜野湾で上演へ


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 横田めぐみさんが北朝鮮の工作員に拉致されて昨年11月、40年を迎えた。

 拉致問題への認識を深め、その悲劇を理解するよう政府が企画した拉致問題啓発舞台劇「めぐみへの誓い―奪還―」が2月10日、宜野湾市民会館で上演される。

 めぐみさんは中学校1年生当時、バドミントンの部活動を終えて帰宅する途中、新潟の海岸で複数の男に拉致された。その時から現在に至る経緯、さらには、めぐみさんや田口八重子さんら拉致被害者の北朝鮮での厳しい生活が描かれている。被害者救出のために家族が奮闘する苦難と勇気の物語は涙なしでは見ることができない、との評だ。

 現在、政府認定拉致被害者の数は17人(うち5人は帰国)となっている。警察庁が公開したデータによると、北朝鮮に拉致された可能性が否定できない特定失踪者の数は、883人(昨年11月時点)に上る。

 沖縄県にも特定失踪者は34人いるとされ、人口比では全国で2番目に多い。特定失踪者家族有志の会の藤田隆司副会長は昨年11月25日に沖縄で講演し、その深刻さを語った。

 藤田さんは兄の進さんが19歳の時、失踪し、複数の拉致の証拠があるにもかかわらず、拉致認定されないことを「歴代政府の不作為」と批判。国際社会への働き掛けを強めたい考えを示した。

 劇はこれまで東京、宮城、広島など全国各地で地方公共団体と協力して上演されてきたが、今回の宜野湾公演は、呉屋等・宜野湾市議が昨年3月、市議会定例会で提案して、実現したものだ。

 「めぐみさんが拉致された当時と同じ中学生とその親世代に特に鑑賞してほしい」と呉屋氏は訴える。宜野湾市にも特定失踪者が2人おり、「国民的運動」につなげられればと期待している。

(T)