沖縄マンゴーのセールス戦略を


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄を代表する南国フルーツがマンゴーだ。近年、農産物直売所が普及するにつれ、手軽な庶民の果物として食べられるようになった。

 7月末から8月中旬が旬だ。恩納村の道の駅おんなにある「なかゆくい市場」では、大玉が一つ300円程度で売られていた。

 直売所では特に、形が不ぞろいなものや、黒い斑点が発生するのものなども多く出回る。だが、味はなかなかいい。そのため、“訳あり”マンゴーを求める人も増えているという。

 一方、マンゴーには相変わらず、贈答用の高級フルーツのイメージがある。普段はほとんど食べないという沖縄県民が多いのも事実だ。

 7月6日、東京中央卸売市場大田市場で、「美(ちゅ)らマンゴー」の初競りがあり、お祝儀相場が付いて2玉15万円という史上最高値で競り落とされた。7月下旬時点では1㌔当たり平均4万程度が付けられており、昨年の3倍の値段だ。

 JAおきなわによると、今年は全般的に晴天に恵まれ、台風が直撃していないことから豊作で、生産量は過去最高の2055㌧を見込むという。

 沖縄県は2011年度から、県産マンゴーを「美らマンゴー」とするブランド導入を計画。糖度15度以上、大きさは3L(460㌘)以上、色は全体が真紅という基準を設けた。基準が厳しいこともあり、初出荷は15年にずれ込み、まだまだ認知度は低い。

 流通量も宮崎のブランドマンゴー「太陽のタマゴ」に大きく後れを取っている。ただ、美らマンゴーの方が糖度も高く、キロ単価は宮崎産を大きく上回っている。県には県外と海外市場に売り出すトップセールス戦略を策定し展開してもらいたいのだが。

(T)