スシローが沖縄進出


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 回転寿司(ずし)業界で売上高トップのあきんどスシローは10日、浦添市内に県内初となる「スシロー」をオープンした。オープン当初は2時間待ちも当たり前の混雑ぶりで、諦めて帰る客も少なくなかった。これで国内で未進出なのは青森、島根の両県だけになった。

 「スシロー」は今後、北谷町、糸満市など3年間で10店舗まで拡大したいという。記者会見では福田哲也営業本部長が「沖縄は人口や観光客が増え、魅力的な市場」と話した。

 沖縄では今年、空前の回転寿司ブームが到来している。牛丼「すき家」を展開するゼンショーグループの「はま寿司」は2013年の出店以来、早くも6店舗に広がった。「すき家」は現在、県内に24店舗あるが、食品加工を含めた物流をグループで一括しているのが強みだ。

 続いて、今年4月にはくらコーポレーションの「無添くら寿司」第1号店がオープン。北谷町では「はま寿司」の斜め向かいにあり、沖縄における回転寿司の戦国時代突入を思わせる。

 沖縄は離島であるが故に食材調達が難しかったり、物流コストが高いというハンディを抱えていた。ところが、那覇空港が物流拠点として整備され、新鮮な食料が深夜から早朝にかけて空輸で沖縄に到着、昼すぎには店舗に届き、客に提供することができるようになった。

 日本の地方としては例外的に出生率が高く人口が増えているだけでなく、国内外から沖縄を訪れる観光客が増加傾向にあるのも、回転寿司出店を後押ししている。

 米軍基地が近い北谷町にある回転寿司の平日昼間は、客の半分近くが米軍関係者になることも。英語のメニューもあり、外国人も安心して食べることができるのもいい。(T)