松本浦添市長が就任1周年


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 昨年2月に45歳の若さで初当選した浦添市の松本哲治市長の就任1周年を記念するシンポジウム「市長と語ろう浦添の未来!」 が10日、市内のてだこホールで開かれた。

 第1部のトークショーでは、高良倉吉副知事、宮崎政久衆院議員、沖縄県文化振興会の平田大一理事長がゲストとして登壇。返還が予定されている米軍キャンプ・キンザー(牧港補給庫)の跡地利用が主な話題となった。

 沖縄史研究家でもある高良氏は、「浦添市は琉球王朝の発祥の地。先人たちは攻めのまちづくりをした」と述べた上で、キャンプ・キンザー返還後は先人が築いた海の文化を生かした開発をすべきだと提案した。

 浦添市を選挙区とする宮崎議員は、浦添市と宜野湾市が在沖米軍再編後の「沖縄の経済を引っ張る核になる」と期待を寄せた。文化を大事にしようとするのが強みと言う平田氏は、国立劇場おきなわとその周辺を文化発信の拠点として整備すれば魅力あるまちづくりができると強調した。

 第2部は、松本市長が過去1年の市政運営を報告した。キャンプ・キンザーの跡地利用について「世界に誇れるリゾート地にしたい」と抱負を語った。

 最後のフロアからの質問の時間では、副市長辞任の経緯や待機児童対策が進展しないこと、大規模な宿泊施設がないことなどが批判されたが、松本氏は丁寧に説明した。高校生から「教育に必要なものは」と問われると、表情を緩め「コミュニケーション能力と英語、そしてICT(情報通信技術)をいかに使いこなすかが大切だ」と答えた。

 「マスコミに叩かれることに慣れた」という松本市長、風格さえ感じさせた。(T)