皇太子殿下「身引き締まる思い」 天皇陛下御即位と同じ55歳に


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皇太子殿下は誕生日を前に記者会見された=20日、東宮御所「檜の間」(代表撮影)

 皇太子殿下は23日、55歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、お住まいの東宮御所で記者会見。天皇陛下が即位したのと同じ年齢になられたことについて「身の引き締まる思いと共に、感慨もひとしおです」と述べられた。

 過去の天皇が歩んできた道と、象徴天皇を定めた憲法の規定に思いを致すよう常々心掛けていると御説明。望ましい象徴天皇の在り方を模索し続けてきた天皇、皇后両陛下の姿に学びながら「これからも努力していきたい」と語られた。

 戦後70年という節目の年を迎え、「先の大戦において多くの尊い人命が失われ、多くの方々が苦しい、また、大変悲しい思いをされたことを大変痛ましく思います」と振り返られた。

 その上で、「謙虚に過去を振り返るとともに、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切」との考えを示された。長女愛子内親王殿下(13)には戦争について皇太子殿下が知っていることを話されているほか、愛子さまが両陛下から直接話を聞くこともあるという。

 昨年夏に完成した「昭和天皇実録」について、「激動の時代にあって60年を超える長きにわたり、国民を思われ、真摯(しんし)に御公務に当たられた昭和天皇のお姿がしのばれます」と感想を語られた。病気療養中の雅子妃殿下(51)については「焦らず慎重に、少しずつ活動の幅を広げていってほしい」と気遣われた。

 この1年で印象に残ったことの一つに日本人を含む市民を巻き込むテロの発生を挙げ、「深く心を痛めています」と述べられた。