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子宮頸がんワクチンを販売する製薬会社社員が論文、助成根拠に


身分伏せ「医療費減」と結論

 子宮頸(けい)がんワクチン「サーバリックス」を販売する大手製薬会社グラクソ・スミスクラインの社員(退職)が身分を伏せ、ワクチンはがんを防ぎ医療費を節減する効果があるとする論文を発表していたことが、12日分かった。

 厚生労働省の審議会はワクチンへの公費助成などを決める際の資料として、問題の論文を用いていた。

 問題の論文は「若年女性の健康を考える子宮頸がん予防ワクチン接種の意義と課題」と題し、2009年9月に国内の専門誌で発表された。12歳の女子約59万人に接種すると、がんを防ぎ医療費など約12億円が節減できると結論付けた。

 社員は医薬品にかかる費用と効果を分析する部門の課長だったが、論文では東京女子医大講師の肩書を使って発表。社員であると明かしていなかった。社員は10年6月に退職した。

 子宮頸がんワクチンは今春定期接種の対象となったが、副作用の訴えが相次いだため、6月に接種勧奨が中断された。

 同社は「当時は明確なルールがなかったが、社員であることは明らかにすべきで、適切でなかった」と釈明。厚労省は「事実関係を確認する」としている。

子宮頸(けい)がんワクチン 2009年に承認されたグラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」、11年に承認されたMSD社の「ガーダシル」がある。接種費用が公費で助成され、今年4月からは11~16歳の女子に接種の努力義務を課す定期接種の対象となった。接種後に全身の痛みやけいれんを訴える声が出され、厚生労働省は6月、接種勧奨の一時中断を決めた。

(時事)