世界日報 Web版

夫婦がお互いに感謝する


 このところ「平成最後の……」という言葉がよく聞かれる。先日、NHKの朝の番組で平成の30年間を振り返っていたが、その中で「夫婦で共に歩んだ30年」という、平成が始まった時に結婚した2組の夫婦(真珠婚カップル)の話を紹介していた。

 真珠婚の式で「感謝という言葉では足りない」と妻へのラブレターを読む夫、「あなたは素晴らしい手本。あなたと結婚して本当に良かった」という妻。東日本大震災で被災し、その後に妻が病気で倒れ、二人でリハビリに取り組んだ夫婦。「(妻が体がマヒして不自由でも)一生付き会っていくという覚悟があった」という夫。「夫の笑顔に支えられた」という妻。ごく普通の夫婦が見せる日常の姿に、短いニュースだったが心打たれるものがあった。

 欧米には「バウ・リニューアル」という儀式がある。夫婦が結婚記念日などに、お互いへの感謝の気持ちを伝え合うセレモニーを行う。日本ではそれほど知られていないようだが、家族としての再出発の気持ちを込めた「2度目の結婚式」と言っていいのかもしれない。

 筆者も妻と出会って30年になる。一緒の生活が当たり前になってしまったせいか、お互いへの感謝を意識しないまま、何気なく1年が過ぎた気がする。ただし、時には口喧嘩(げんか)をすることもある。交流のある児童精神科医に聞いた話だが、夫婦喧嘩をした時、子供は父親と母親の、どちらが先に謝るかを見ているという。

 先に謝った方を「謝ることができるってすごい」と尊敬するそうだ。自分を含めて多くの夫は妻に謝ることが苦手なのではないか。それこそ日頃から妻への感謝を口にしたいと思う。

 間もなく平成は終わるが、結婚、夫婦とは何か、次の世代に何を見せるのかを誰もが改めて考えていくべきではないか。

(誠)