誰でも運動は上手くなれる


 学校の運動会・体育祭といえば、秋の年中行事と決まっていたが、最近では4月末から5月初めの連休後に行う学校が増えてきた。暑からず、寒からず、過ごしやすく、父母や祖父母、町内会の人たちが学校に応援・観戦でやって来る。運動が得意な子供は意気揚々と、苦手な子供はそれなりに…ということになる。

 「うちの子は運動が苦手だから…」とか「運動神経が鈍いから…」と嘆く父母の声も聞く。だが、ちょっと待ってください。俗に言う「運動神経」というのは先天的なものではなく、誰でも、練習して回数を重ねれば、できるようになっているのです。「走ったり、投げたり、打ったり、さまざまな運動において、理想的なフォーム・形を頭に入れ、それを実際に行動に移すことが上達の秘訣(ひけつ)だ」という。

 モノの本によると、人間の運動は「脳」の指令の下に「中枢神経」と「末梢神経」の一部を通って筋肉に送られ運動となって表れる。脳から身体に情報を送るスピードは人によって差異がない。つまり「運動神経」とは誰にでも備わっているもので、その質に個人差はなく、「運動神経が良い、悪い」というのは、科学的根拠がない、ということだそうだ。

 人間の脳細胞、神経回路は3歳くらいから小学校低学年くらいに最も発達すると言われている。さまざまな運動に慣れ親しむかどうか、体の動きを反復しているかどうか、それによって運動の「得意」「不得意」が生じてくる。オリンピックを目指すような特殊なケースを除けば、普通の子供に大差はない。

 また、この時期に運動する機会を失った、という場合でも、心配はない。何の運動でもよいので、親が「苦手」と決め付けず、定期的に練習を重ね、「前回よりもうまくなろうね」と励まし「前より、うまくなったね」と褒めてあげれば、早い、遅いがあったとしても徐々に上達することは間違いない。(和)