都内の不登校児童・生徒 小中で全国平均より高い


都内の不登校児童・生徒 小中で全国平均より高い

不登校児童・生徒の学校復帰率の推移

 東京都教育委員会は今年5月、不登校や中途退学を減らすための委員会を設置し、対策を検討してきたが、その中間まとめを公表。学校復帰を手助けする「教育支援センター」の充実などを提言した。

 平成26年度の都内公立小中学校における不登校は小学校2565人、中学校7514人。ともに過去5年間で最も多い。全児童・生徒に占める割合は、それぞれ0.46%、中学校3.17%で、全国平均(小学校0.39%、中学校2.76%)よりも高い。また、学校などの指導・働きかけで学校に復帰した割合は、小学校で33.3%、中学校25.1%にとどまっており、この割合を高めることも課題だ。

 不登校は学年が上がるにつれて多くなるが、その中で際立つ傾向は小学6年から中学1年に上がる段階で大幅に増えること。都内の場合、その割合は2.3倍になる。

 不登校はいじめや親子関係などさまざまな要因が重なって誘発すると考えられるが、対策のポイントは長期的な視点に立って、学校復帰の支援体制づくりを行うことだろう。子供の状況を見ないで、無理に登校させようとすると逆効果になることがあるから注意が必要で、それを防ぐには保護者への支援も重要である。