地方大学が入学定員割れ 少子化響き経営厳しく


地方大学が入学定員割れ 少子化響き経営厳しく

地域別の大学入学定員充足率

 文部科学省は、入学定員を超過した私立大学に対して、超過人数に応じて補助金を減らすなどの抑制策を導入するという。地方創生を進めるため、学生の大都市圏への集中を是正するのが狙いだ。

 日本私立学校振興・共済事業団がまとめた平成26年度の調査によると、地域別の大学入学定員充足率は、東京が109.53%に達している他、愛知103.53%、大阪105.15%など大都市圏で高い。それに対して、北海道95.39%、東北(宮城を除く)81.86%、中国94.06%、四国90.47%、九州(福岡を除く)93.93%など地方では100%を割り込んでいる所が多い。また、定員割れの大学は265校で、全体の46%を占める。

 地方創生では、大学への期待が大きい。政府が昨年12月に決定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、2020年までの目標として、自県大学進学者の割合や卒業生の県内就職の割合を高め、地域産業を担う人材を育成するとしている。

 ただ、現状は少子化で大学経営は厳しい状態が続く。経済的実利優先で人文系の学問が軽視されているのではないかと懸念する声もある。大学とは何か、社会にどう貢献するのかを改めて考えるべき機会かもしれない。