3年以内の離職者が再び増加、大卒3割、高卒4割


3年以内の離職者が再び増加、大卒3割、高卒4割

新規学卒者の卒業後3年以内の離職率

 厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、平成23年3月に中・高・大学を卒業した人のうち、3年以内に離職した割合は大学卒32.4%、高校卒39.6%、中学卒では64.8%で、いずれも前年を上回った。大卒は2000年頃からほぼ3割台で推移、高卒は5割まで上昇した後に減少傾向が見られたが、ここ2年は再び増加傾向に転じている。

 離職率が高かった職種は、大卒や高卒では宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業など。また、規模が小さい事業所ほど離職率が高く、29人未満の事業所では5割を超えている。

 調査は、離職の理由までは明らかにしていないが、就職内定率が低い年の卒業者は、総じて離職率が高い傾向にある。別の調査では「希望の職ではなかった」「自分に向いていない会社・仕事だった」「会社の将来に希望が持てない」などの理由があがっている。

 行き過ぎた利益至上主義、人材育成の弱体化など企業側の問題を指摘する声もある。労働人口が減少する中、若者の高い離職率は、国の未来にも影響を及ぼす。若者が自身の人生を考えるライフデザイン教育の強化や若者の能力を生かす労働環境作りが急務の課題となっている。